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ダチョウのインフルエンザ抗体マスクの恐るべき性能?

投稿者:senzyu 投稿日:12/11/08 17:49 view223view

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<リンクできるように直しました。>

以前、こんなニュースがあったのを覚えているでしょうか?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/flu2007/pickup/200801/505318.html 
 
みれるかな?? 
みれない方はこちらあたりをどうぞ↓ 
 
 
 
「鳥インフルエンザウイルスの抗体を含んだマスクが開発された」 
 
 
というニュース。

といってももう5年近く前だから全然「ニュー」じゃないですね。
 
 
 
はじめこれをニュースで見たときには 「そんなもん意味ねぇよ」と思っていたんだけど、 
これがなんか賞を受賞したり、このように医療従事者向けの記事にもなったりと大躍進しだしたので、
変な汗がでてきたという思い出があります。
 
 
 ほほう。
 
しかし、本当にすごいんだな。 
そんな画期的なマスクなのか。 
なるほど。 
 
 
なぁんて、そんなことだったら今更ブログに書かない。わたしに限って。 
 
 
そうです。 
 
また批判です。
批判というと聞こえが悪いですね。問題提起です! 



 
このマスクの効果を疑わない方はけっこういるんじゃないかと踏んでいます。
 
その理由をあげると、 
 
1.「京都府立大学大学院生の教授」が研究開発したこと。 
 
誰しも、大なり小なり権威に弱いはず。 
 
京都府立大学大学=国公立=賢い 
教授=賢い 
 
=この研究は正しい 
 
となること請け合いです。 
 
そしてそんな権威は、さらに雪だるま式に勢いが増しました。 
 
各種の新聞やニュースで紹介されたのはもちろん、
医療従事者向けの「日経メディカル オンライン」にも肯定的な記事が掲載され、
世界を変える100人の日本人としても紹介され、さらには文部科学大臣賞も受賞。 
 
ここまでくれば自分の分野でなければ完全に信じているところです。
 
 
 
2.「それらしい」研究結果。 
 
さきほどのメディカルオンラインなど、それらしい研究結果が掲載され、それらしいことが書いてある。 
昔問題になった「あるある大辞典」みたいなエセ実験とは違うような雰囲気が漂ってます。 
 
まぁここでいう「それらしい」というのは、実験の条件が細かく書かれているだとか、やり方が雑じゃないという意味ですが。 
 
まぁ、大まかにはそんな二つの理由から、これは大勢に人に受け入れられるニュースだったと思います。
しかし、5年もたってあまり売れているような話を聞かないということは…値段が高すぎたんですかね。

あるいは今年あたりまた話題になるでしょうか。


 
ではそろそろ本題にはいります。
 
まず、 
なにがひっかかったかっていうと、抗体は体の中の話だってことです。 
 
たとえば抗菌薬、抗ウイルス薬などの内服薬。 
これらは大まかには体の中の細菌やウイルスを殺したり増やさないようにする訳ですが、
これと体の外で使う「消毒薬」とは全く別物なはずです。
 
効果でいえば、 
 
金属などに使う消毒薬>>人の体の表面に使う消毒薬>>>>抗菌薬、抗ウイルス薬 
 
といった具合でしょう。 
 
手術道具の殺菌をするのに使うような強力な消毒薬は、人が飲んだら死ぬことは間違いないです。 
人の皮膚の消毒をするには弱めの消毒薬(アルコールなど)を使いますが、 これも当然大量に飲むと死にます。 
 
つまり、抗生物質なんていう体の中で効果を発揮するようなものっていうのは、
外で使うものとは別物なのです。
かなり簡潔にいえば「弱い」といえます。
 
 
では、今度は抗体の話を。 
 
抗体も体の中のものですよね。外で使ってどうなのよって話です。 
そもそも液体の中でなきゃ効果は発揮できないでしょう。 
 
抗体がすごいのは、何もウイルスと「くっつく」からすごいのではありません。 
「体の中の他の物質には見向きもせず、その抗原(インフルエンザウィルス)のみとしかくっつかない」
基質特異性という性質がすごい訳です。
 
「体の外での話」なら、なんだっていいはずです。
接着剤(吸着剤)でいいでしょう。 
 
むしろ、抗体じゃないほうがいいぐらいかもしれません。 
インフルエンザだけでなく、花粉やらハウスダストなんかからも守ってくれるような、
なんでも吸着あるいはブロックするような素材を使ったほうがいいでしょう。
それで通気性が良ければ完璧だ。 
(ってそれ今ある普通の市販されているマスクか。)
 
また、抗体というのは磁石じゃないです。
抗原を引き寄せるなんてことも出来はしないでしょう。
抗体をスーパーマンではないのですから。 


 
…なぁんて思っていたら、抗体は液体の層に封入するそうです。 
まぁ、だからといって、それが何だって話ですが。 
 
 
また、それならそれで、通気性はどうなるのだろうか。 
 
 
日経メディカルの記事を引用すると… 
 
 
ダチョウ抗体を保持した不識布で作成したケージにH5N1に感染したニワトリのヒナを入れ、
その周りで正常ヒナを飼育し効果を確認した。
実験では、抗体保持フィルターと抗体を保持していないフィルターの2種類を用意、
それぞれを別々のケージに入れ、周りの正常ヒナの3日後の死亡率を比較した。
その結果、周囲のヒナの死亡率は、フィルターのみの場合50%に達したが、
抗体保持フィルターの方は0%で、その有効性が確認された。 
 
 
この実験って…
このフィルターは、
セメントでもサランラップでもプラスチックの板でも良くないかい? 
 
通気性については触れられていないし。 
空気も一切遮断してしまうような素材でも成立してしまうような実験ではないですかね。


さて、これを読まれてどう思ったでしょうか?

私がここでいいたいことは「権威なんて関係ない!正しいことが正しいのだ!」ということです。
まぁこんだけ書いといて、私が間違ってたらかなり恥ずかしいですがw

あと、この話には続編があります。
感のいい方なら気づくでしょうか。

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