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第64回日本化学療法学会総会(1)

投稿者:rihito 投稿日:16/06/17 21:27 view45view

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[1].発熱と下痢を認める入院患者の診療
金沢医科大学 臨床感染症学 飯沼由嗣 先生
 
 抗菌薬関連下痢症(Antibiotic Associated Diarrhea; AAD)の病態として、病原微生物が関与しないものと関与するものに分類される。前者は「抗菌薬により常在細菌叢が変化→炭水化物の代謝不全→大腸腔内の浸透圧の上昇→浸透圧性下痢」の経過を辿り、後者は「抗菌薬により常在細菌叢が変化→下痢原性微生物の増殖・毒素産生→細菌性下痢症・腸炎」の経過を辿るが、AADの16~20%にC.difficleが関与しているとされている。
C.difficleの病原因子としてToxin A(腸管毒素。持っていない菌もある)、Toxin B(細胞毒素。必ず持っている)があり、ToxinA、Bともに産生しない株は「非病原菌(病気を起こさない菌)」と判断される。
C.difficile感染症(CDI)のリスク因子として、抗菌薬、高齢者、プロトンポンプ阻害剤などの胃酸分泌抑制、胃管栄養、胃腸手術、抗ガン化学療法、造血幹細胞移植などがある。
CDIと抗菌薬の関連として、関連ありに分類されるものが「キノロン、クリンダマイシン、広域ペニシリン、広域セファロスポリン」、時に関連に分類されるものが「マクロライド、トリメトプリム(ST)、サルファ剤」、稀に関連に分類されるのが「アミノグリコシド、テトラサイクリン、メトロニダゾール、バンコマイシン」となっている。
CDIの治療として、軽症~重症では「可能なら誘因となるすべての抗菌薬を中止」「MNZ治療が不耐/アレルギー、妊婦ではVCM治療を行う(軽症、中等症)」「VCM内服では腸に十分到達しない場合には、VCMの注腸投与を追加する」「蠕動抑制薬(下痢止め)は、症状を隠し、複雑性感染症を誘発するため可能な限り避ける」、重症かつ複雑性では「腹部膨満がない場合はVCM p.o.(125mg×4) + MNZ i.v.」「イレウス、中毒性結腸、著名な腹部膨満がある場合はVCM NGチューブ注入(500mg×4) + MNZ i.v. + VCM注腸」「複雑性では外科へコンサルト」、再発例では「最初の再発は初発時と同じ治療を行う」「重症であれば、VCMを選択する」「2回目の再発は、VCM漸減・パルス治療を追加で行う」「VCM漸減・パルス治療を含めた治療を行い、3回再発した場合には糞便移植(FMT, fecal microbiota transplantation。※日本では行われていない)を考慮する」「再発性CDIに対するprobioticsや免疫治療のエビデンスはない」となっている。
 

<要点>
【C.difficile感染症(CDI)】
・CDIを起こしやすい抗菌薬がある。
・治療薬はメトロニダゾール(MNZ)、複雑性ではバンコマイシン(VCM) p.o.を。
・糞便移植(FMT:fecal microbiota transplantation)はCDIの再発例に用いられる。
 


現在日本で適応は無いが、世界的に話題になっている糞便移植はCDIの再発例に考えられている療法であり、日本でも近いうちに行われるかも……しれませんね。
CDIを起こしやすい抗菌薬があるとかは考えてみたこともなかったなあ……何か論文とかあるのかな。






 

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