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第64回日本化学療法学会総会(2)

投稿者:rihito 投稿日:16/06/19 23:24 view33view

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[2].侵襲性真菌症に対する抗真菌薬 
国立感染症研究真菌部 宮﨑義継 先生
 
 
1962年に国内で発売されたアムホテリシンBを皮切りに、80年代以降にフルコナゾール、イトラコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬、2000年以降には細胞壁の合成阻害を主作用とするキャンディン系が開発された。しかしながら、使い分けが求められるステップに到達したにも関わらず、一方でムコール症やフサリウム症等の現在の抗真菌薬では充分な対応ができない侵襲性真菌症の顕在化が問題となっている。
現在の抗真菌薬での問題として、1.耐性化、2.新しい真菌症の出現の2点がある。耐性化として、キャンディン耐性のC. glabiataの増加、アスペルギルスの耐性増加、隠蔽種の増加等を挙げられた。真菌症の出現として、高病原性 C. gattiの国内での出現、ムコール症の経年的発生動向等がある。これらの問題点があるにも関わらず、抗真菌薬の開発数が少なく滞っている状況であるのが課題である。現在、開発が行われている薬剤とその特徴として下記の4薬剤などがある。
 
Biafungin
・週1投与の可能性を有する。半減期はカスポファンギンの10倍程度。
・キャンディン系として初の経口投与も。
 
Isavuconazole
・アメリカで承認済み。
・ムコールまでカバーできるアゾール系
・ボリコナゾールは半減期が6時間程度の非線形薬物動態が特徴であるが、イサブコナゾールは1日1回であり、ボリコナゾールに対して非劣勢を示し、副作用は少なかった。
 
Posaconaole
・欧州で承認済み。日本で治験中
・ムコールのための薬
 
T-2307
・国産開発
・作用機序が新規であり、ミトコンドリアの膜電位阻害。
・キャンディン耐性のカンジダに有効である可能性
・肺クリプトコックス症に対して既存薬より優れる可能性。
 
 
 
 
 
[3].抗真菌薬のTDMを再考する –日本でのアゾール系薬の賢い使用法-
神戸大学医学部附属病院 感染制御部 時松一成 先生
 
 
ボリコナゾール(VRCZ)はTDMの有無で治療効果が変わってくるという発表がある。
 
・日本人ではVRCZ薬の代謝活性が低く、遺伝的に減弱しているため(CYP2C19)
・低濃度のアゾール系は耐性菌を産む。長期間の暴露によって感受性は低下する。
・アゾール系はCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19などが関与し他剤の影響を受けやすい。
・VRCZ薬は必ずしも経口と注射でバイオアベイラビリティが同等でないことが分かってきた。
・長期の外来でも、VRCZは保健適応外であるが、行うべき。
 
VRCZはTDMガイドライン2016を、イトラコナゾール(ITCZ)は日本医真菌学会のガイドラインを参考にするのが良い。
 
 
 
 
 
[4].抗真菌薬を再考する –国内外のガイドラインを踏まえて-
近畿大学医学部附属病院安全管理部感染対策室 古田耕一郎 先生
 
近年の欧米のガイドラインではフルコナゾールの位置づけはキャンディン系より下がりつつある。
カンジダはalbicansが徐々に少なくなりつつなるが、glabrataは10%程度に増え2位になっており、glabrataはアゾール系耐性があり。また、欧米では、glabrataのキャンティン系の耐性化も進んでいる。一方、アジアではカンジダは未だにキャンディンに耐性を持つものは少ない。
 Non-albicansでは60%程度がバイオフィルムを形成する。抗バイオフィルム作用を有する抗真菌薬にはアムホテリシンB、キャンディン系があるが、一方でアゾール系は抗バイオフィルム作用を有さない。
 海外ではムコール症までカバーするイサブコナゾールがボリコナゾールに非劣性であることが示されているが、現在日本で適応はない。日本では、リポソーマルアムホテリシン Bを10mg/kg/day(承認外用量)で使用するしかないが、今後、どの程度の用量が日本人に相応しいのか研究が待たれる。
 


<まとめ>

2.【抗真菌薬とTDM】
・キャンディン耐性の真菌薬が増えている
・日本の現在の抗真菌薬のみではムコール症に十分対応できない。
・ボリコナゾール(VRCZ)薬は必ずしも経口と注射でバイオアベイラビリティが同等でないことが分かってきた。
・長期の外来でも、VRCZは保健適応外であるが、行うべき。
 
 

真菌症は難しい……!
そもそも国内で薬剤が不足しているようです。

ボリコナゾールまでTDMすべきなのでしょうが……。
当院でも何例かやり始めている状況ですが、仮に全例でやるとなると、「正直、業務回るかな」というところが本音です。



 

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