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第64回日本化学療法学会総会(3)

投稿者:rihito 投稿日:16/06/22 09:54 view45view

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[5].注射用抗菌薬の用法用量を再考する –PK/PD理論に基づく新戦略-
同志社女子大学薬学部臨床薬剤学 森田邦彦 先生



古くから国内で用いられてきたいくつかの主だった注射薬の注射製剤に重大な問題、すなわち欧米での用量に比べ我が国でのそれは1/2~1/3もの低さに設定されているという驚くべき事実があることを浮き彫りにもなっている。
 新たな抗真菌薬の開発が鈍化している現状を鑑みるとき、旧来の薬剤をより有効かつ安全に用いるための新しい方法論の探索が必要な時期にさしかかっている。
 
 TAZ/PIPCの長時間点滴(点滴速度:4h)では、APACHEスコア17以上の重症例で有意に1hに比べ4hの方が、アウトカムが良いという結果が出ている。
 メロペネムは1hと3hを比較した場合、CRPが初めて50%以下に低下した日数で3hの方が有意に短かった。
 上記を考慮すると、PK/PDに基づいてTime above MICである薬剤は点滴時間を長くした方が良いのは明らかだが、一方で初期殺菌力が点滴時間を延ばせば伸ばす程弱くなることが示されている。
 そこで「二段階点滴法」を推奨している。まず抗生剤の点滴の半量を30分で点滴投与を行い、残り半量を4hかけて点滴投与する方法である。二段階点滴法では、特に重症感染症患者において有用であると考えられ、現在臨床で結果を検討中である。
 
 
 抗真菌薬のTDMに関しては不思議な点がある。
リポソーマルアムホテリシンB(L-AMB)は血中濃度のCmaxと治療成績が一致しない結果が得られている。これは、CRPが上昇するほど、L-AMBのクリアランスが上昇すること、仮説としては、炎症が強くなると血管の透過性向上に伴い、L-AMBが血中から抜けてしまう可能性が考えられる。
 造血幹細胞移植を行った患者では、ボリコナゾール(VRCZ)は血中濃度と投与量/体重で相関が見られないことが分かった。これは経口のみならず、静注に関しても血中濃度に相関が示されなかった。VRCZはTDMでシミュレーションできない可能性が示唆される。



【まとめ】
・β-ラクタム系は点滴時間を長くすれば長くするほど、より良いアウトカムが得られる。
・一方で初期殺菌力が点滴時間を延ばせば伸ばす程弱くなることが示されている。
・そこでそれを解決するために「二段階点滴法」を推奨している。
・VRCZはTDMしても無効。



二段階点滴法は、厳密に行おうとすると、看護師さんの手間増えるし、医療事故がたくさん起きるだろうなあ、という気はします。
……が、もっと更なるデータが蓄積されればそのうち一般的になっていくかもしれないとも思います。
昔の注射薬は添付文書と異なる使い方されてますしね。


VRCZのTDMが意味ないという報告も出ていたのが面白いところ。
いったいどうすればいいのやら……。



 

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