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アルブミンハンドブック

投稿者:rihito 投稿日:16/07/02 20:04 view79view

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アルブミンハンドブック

恵良 聖一・比留間 潔(トッパンメディカルコミュニケーション)




 

<アルブミンの各種疾患におけるレドックス動態>

 

【分析法と資料保存上の注意点】

 アルブミンなどタンパク質周囲表面には-80℃以下でないと凍らない結合水(不凍水)の相が存在するので、資料は必ず-80℃以下で保存されなければならない。その試料をたとえば-20℃で保存した場合、試料は一見凍っているように見える。しかしその温度では「不凍水」はまだ完全に凍っていないので、不凍水中に混在している含硫アミノ酸はアルブミンのSH基と徐々にではあるが確実に反応する。その結果、試料を解凍した後での分析値は実際の値とはまったく異なった値となる。事実、この点を考慮せずに行ったであろうと思われる測定値が掲載された論文が散見している。

 

【健常人における生理的変動】

 健常成人の場合、通常は約75%が還元型アルブミン(HMA)、約25%が酸化型アルブミン(HNA)として存在する。この比率は、健常人であっても激しい運動負荷時には一過性に変化する。また加齢によってHMAの割合は減少し、逆にHNAの割合は増加する(生体全体が酸化的状態・酸化方向にシフト)

 このように、単なるアルブミン値の変動のみならず、その酸化還元比率の経時的な計測はからだ全体としての酸化還元緩衝機能の状態変化を質的に評価するよい指標であるといえる。

 ①還元型アルブミン値の減少傾向を少しでも抑える、あるいは、②その値を増加させるような方策が、アンチ・エイジングへの良策ともいえるだろう。

 

【各種疾患におけるレドックス動態のまとめ】

 肝疾患、とくに肝硬変症では、病態が悪化するにしたがって血清アルブミン値は低下し、かつ酸化型アルブミンの比率が増加する。

 腎疾患、とくに慢性腎不全になると、患者体内のレドックス動態は酸化傾向にシフトする。透析前により酸化的状態であったものが、血液透析によって改善される。しかし次回の透析までには元の状態へ戻る。

 

 臨床輸液用製剤のなかで献血由来のアルブミンSH基レドックス状態は、その製剤番号やロット番号の違いによって、多かれ少なかれ酸化還元比率が異なっている。




 

【アルブミン製剤の適応病態】

 

等張

①出血性ショック:循環血漿量50%以上の出血。血清アルブミン値<3.0g/dL

②人工心肺を使用する心臓手術:膠質浸透圧の低下。体重10kg未満の小児。

③血液透析時:血行動態が不安定のとき。

④治療的血漿交換:凝固因子の補充を必要としない場合。ギラン・バレー症候群、重症筋無力症など。

⑤重症熱傷:体表面積50%以上の熱傷。熱傷後18時間以降(18時間以内は細胞外液系輸液を使用)。

⑥急性膵炎、腸閉塞:循環血漿量の著名な減少を伴う場合。

 

高張

①肝硬変などの難治性腹水:利尿を期待し短時間用いる。4L以上の多量腹水穿刺。

②ネフローゼ症候群:難治性の浮腫、肺水腫を伴う。

③肺水腫、高度の浮腫:低蛋白血症に起因する場合。



 

必要投与量の計算式と目標血清アルブミン濃度

必要投与量(g)=期待上昇濃度(g/dL)×循環血漿量(dL)×2.5

      =期待上昇濃度(g/dL)×0.4dL/kg×体重(kg)×2.5

      =期待上昇濃度(g/dL)×体重(kg)

 

※投与されたアルブミンが血液血管内に保持される血管内回収率は40%であり、2.5倍の投与が必要となる。

※循環血漿量は体重当たり0.4dL

 

目標血清アルブミン濃度 急性:3.0g/dL以上、慢性2.5g/dL



 

【不適切な使用と投与効果の評価】


アルブミン製剤の不適切な使用

・蛋白質源としての栄養補給

・脳虚血

・単なる血清アルブミン濃度の維持

・末期患者への投与

 

使用上の注意点

1Iナトリウム含量:等張製剤で過大な負荷を招くことがある。

2)肺水腫、心不全:高張製剤では急激に循環血漿量が増加するので投与速度を調節する。

3)利尿:高張製剤に利尿剤を併用する。


【アルブミン製剤のEBM】

 

重症患者へのアルブミン製剤の投与は、死亡リスクを高めるというイギリスのグループ(Cochrane Injuries Group)による報告がある。




 

 アルブミンに酸化型・還元型があるのは知らなかった……。還元型アルブミンがアンチエイジングに関与するとか興味深いですね。検体として保健適応が通る日はくるのでしょうか。かなりロットによって酸化型・還元型違いそうな……。


 かつて、間接的に関与した患者さんで凄くアルブミン製剤が出されていて驚いた人がおりました。確かアルブミン値が凄く低くて1.5くらいだったので、(3.0-1.5)×50=75gだとすれば、12.5g入り製剤が12.5g×6本=75gなので計算上は間違いではなさそうですよね。

 

 やはり薬剤師として一番悩ましいのが適正使用でしょうね……。心臓血管外科医の先生がアルブミン値が高いのにアルブミン製剤使っていたので電話したらかなりお怒りになって電話切られたんですが、今思うと、あれはICU入院になっていたし人工心肺使ったOPE後とかだったのかな……。

 

 看護師さんに訊かれて答えに困ったことがあって、「高張アルブミン製剤投与前にラシックスを投与してはダメですよね?」という質問でした。原理的には高張アルブミンを投与した後にラシックスした方が、腹水等の水はひけると思うんですが……このハンドブックには「併用」という表記にとどまってます。アルブミン投与後にすぐラシックス投与すれば別にさほど気にすることはないのか……?どれくらいで高張アルブミンが効いてくるかの問題になるのかな。


 血液製剤は難しいです。

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