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ねころんで読める抗菌薬: やさしい抗菌薬入門書

投稿者:rihito 投稿日:16/07/17 21:30 view454view

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矢野 邦夫メディカ出版

 

第1章 抗菌処方のための17の心得

 

・CRPは細菌感染時には肝臓での合成が促進されるので、あまりにも重篤で肝臓の合成能が低下している患者ではCRPが増加しない。

・厳しい感染巣があれば、そこで消耗されてしまうので、白血球数がむしろ低下する。

・重症感染症の患者では適切な抗菌薬によって感染症が改善すると、肝臓がCRPを合成し始め、感染巣での白血球の破壊も減少するので、その結果として、CRPと白血球数が増加してくることがある。




 

・抗菌薬は腎機能障害などの制約がない限り、常に最大量を投与することが原則。

 

・セファゾリンは髄液に移行しにくい抗菌薬

・アミノグリコシドは膿瘍のような酸性条件下では殺菌力が極端に低下する。





 

第2章 おもな抗菌薬の特徴

 

<ペニシリン系>

アンピシリン:髄液の移行が良好なので、リステリアに使用することも。腸球菌に対する感受性最も優れている。

アモキシシリン:腸管からの吸収がアンピリシンよりも良好で内服薬として選択される。

 

アモキシシリン・クラブラン酸の配合比率はオーグメンチンは2:1、クラバモックスが14:1。

ピペラシリン・タゾバクタムの配合比はゾシンで8:1

 

<ペネム系>

βラクタマーゼに安定な古典的ペニシリン。カルバペネムと混乱しないように。

嫌気性菌にも効果があり、これらの細菌が関与する皮膚科領域、耳鼻科領域、歯科領域の感染症に用いられる。



 

<環状ポリペプチド系>

肺サーファクタントに結合し、不活化されるので、肺炎には使用できない

クレアチンホスホキナーゼの上昇に注意。薬剤中止で改善。




 

第3章 敵を知るおもな病原体の特徴

 

アシネトバクター属

 グラム陰性短桿菌。

 「この菌が検出される=感染の原因菌」ではない。この菌による感染症には最初からカルバペネムを使用し、効果がなければアンピシリン・スルバクタムを使用するが、これはスルバクタムの効果を期待している。

 多剤耐性アシネトバクター(MDRA:MultiDrug-Resistant Acinetobacter)の感染症の治療は難渋する。チゲサイクリン(タイガシル)が必要となる。ただ、MDRAの保菌状態ならば、除菌は不可能なので、治療してはならない。発症した場合のみ治療を行う。

 

カンピロバクター属

 ヒヨコの体表面はカンピロバクターでコーティングされているので、ヒヨコと遊んだ後に、手洗いをしないと危険。

 カンピロバクター・ジェジュニにはアジスロマイシンなどを用いる。ニューキロノンは耐性菌が増加しているので使用しない。

 

サルモネラ属

 グラム陰性桿菌で腸内細菌科。

 昭和11年に浜松市の中学校で、運動会で出された大福もちのあんこがサルモネラに汚染され、患者数2201人、死亡者44人という大規模な食中毒事件が起きている。

 サルモネラはあらゆる動物から検出され、サルモネラ・エンテリティディスは食中毒を引き起こす。これは鶏卵からの感染が多い。

 チフスとパラチフス以外は基本的に抗菌薬を使用しない。チフスとパラチフスにはニューキロノンを14日投与。経口出来ない場合は、セフトリアキソンを。




――

CRP・白血球が増加しないこともあるのは肝に銘じておかないと……。


オーグメンチンのクラブラン酸の多い配合比だと下痢の障害が出やすくなるので、サワシリンと併用される、所謂、「オグサワ療法」があるわけですが……。
これも併用の仕方と用法・用量がDr.によって全然違うのが面白いところ。


ペネム系=カルバペネム系と勘違いしている人は多そう……という自分もその一人でした。
ちょっと前までファロムはずっとカルバペネムだと思ってましたよ……。


ヒヨコの体表面がカンピロバクターでコーティングされているのは知りませんでした。遊ぶ機会はほぼないですが、そういう機会があったときは気を付けないといけないですね。


昭和11年に浜松市の中学校で、運動会で出された大福もちのあんこがサルモネラに汚染され、患者数2201人、死亡者44人という大規模な食中毒事件が起きている。」は全く知りませんでした。
戦前とはいえ、相当数お亡くなりになってますね……。







 

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