新着記事・レポート

カテゴリーを選択

世塵・風塵

<<前の記事へ

次の記事へ>>

10.患者様?

10.患者様?

2010年12月28日 (火) 09時00分配信 投稿日:10/12/28 09:00 icon_view 278view

お気に入りに登録

お気に入りに登録

icon_view 278view

■「患者様」は正しい日本語とは言い難い!?

患者さん、患者様、どちらの呼び方をしていますか?

個人的には、ずっと「患者様」の呼称に大きな違和感を持っています。以前は、ごく当たり前に「患者さん」と呼んでいましたが、2001年11月に厚生労働省の「医療サービス向上委員会」が「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する指針」の中で、国立病院に患者の呼称の際、原則として名前に様を付けるよう求めた時から「患者様」という表現が広がり始めました。

医療に民間の発想を取り入れ、医療費の効率的な低コスト化を目指す一方、弱者である患者さんに医療消費者としての意識を喚起し、医療サービスの質の向上を目指すという考え方は決して悪いものではありませんでしたが、残念ながらこの実践と時を同じくして医療従事者への暴言や暴力、いわゆるモンスターペイシェントが増加して来たと言われています。

  ここでもう一度、医療サービス向上委員会の提言を振り返ると《患者の呼称の際、原則として、名前に"様"を付けるよう求めた》ものであり、「患者様」の呼称を推奨したものではないという事です。この問題について今年の5月にNHKの番組が取り上げ、その中で「患者様」は正しい日本語とは言い難いという解説があったのをご存知でしょうか?

image


■生活レベルに根ざすサービス業で目指すべき姿

「"患者"は決して人を見下した表現ではありませんが、ハンディキャップを持った人を指す言葉であり、それに"様"を加えることで、むしろ茶化した表現になる。つまり、試験に落ちた人に「不合格者様」というのと同じ語感を持つものである。」という主旨でした。ナルホド、納得出来る気がします。しからば委員会の提言通りに名前に様をつけるのは問題ない? もちろん通常使われる敬称ですからもちろん問題はありませんが、やはり使う場と空気を考えておく必要があるのではないでしょうか。

当時、お馴染みの患者さんに「○○様」と呼び始めてみたところ、多くの患者さんから「何? 急によそよそしくなって…」と言われ、気まずい想いをして敢えて"様"の呼称を止めた経験があります。徹底した高級ブランドのサービスを目指すなら"様"ももちろん必要です。しかしながら通常生活レベルに根ざすサービス業では、お互いに「○○さん」と呼び合える間柄の構築が本来目指すべき姿ではないでしょうか(本当は、病気ですからお馴染みさんの関係にならない方が良いのかも知れませんが…)。むしろ中途半端に"様"をつけて呼ぶことは、悪戯に患者さんとの距離感を広げてしまっていて、ひょっとしたら、この距離感が暴言や暴力の温床になっているのではとさえ思います(というより確信に近いものです)。

この様な流れを知った上で、どの様な呼称をするべきか、一人一人が考えていく必要があるでしょう。熟考した上での選択であれば、どちらの呼称も決して否定されるものではありませんが、中身のない形式的な態度は、必ず相手に見透かされてしまうことを心しておくべきです。

地域に根ざした「かかりつけ薬局・薬剤師」を目標とするならば、この様な小手先の話で留まることなく、もっと他に多くの取組みや態度で示されていかなければなりません。

著者:菅野敦之

 

Good6

コメントする

コメントする

コメント

回答:0件

記事・レポート(1336件)

show

2017.09.20 new 260.いよいよ動き出した第二薬剤師会 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.09.13 new 259.“要注目”検討会での方向性 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.09.07 91.先生 【世塵・風塵】

2017.09.06 258.この表現に耳を疑った 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.08.30 257.言葉の印象が事の重大さを遠ざける? 【薬剤師業界のウラガワ】

もっと見る

業界ニュース(19957件)

show

アンケート

show
ただいま、募集中のアンケートはありません。

もっと見る

セミナー情報(2件)

show

ブログ(5654件)

show

求人情報

show

よく見られている
新着記事・レポートランキング 集計期間:09月18日~09月25日

もっと見る

よく見られている
薬剤師のQ&Aランキング 集計期間:09月18日~09月25日

もっと見る