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『世塵・風塵』27 副作用報告

『世塵・風塵』27 副作用報告

2012年05月02日 (水) 09時00分配信 投稿日:12/05/02 09:00 icon_view 292view

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本年の3月26日から医薬品医療機器総合機構は、一般の方からの副作用報告受付システムの試行を始めました。今までは薬事法に基づいた医薬従事者や医薬品製造販売業者の報告義務として情報収集していましたが、今春からその範囲が広げられたものです。

http://www.info.pmda.go.jp/ippan.html

一般の方に対し医薬品には副作用が付き物であるというスタンスを厚生労働省は明確に示し、より多くの立場に情報取集の対象を広げて実態調査を行うことになった訳ですが、薬剤師としてはここで一つ考えておく必要があります。

副作用の報告が幅広く集められ、精度の高い、或いは軽微なものとして見過ごされてきた情報が検証される事は必要であり社会的にも意味がありますが、ここで一つ心配な事があります。万一にも、こうした副作用の情報収集の結果、重篤ではないにしろQOLに影響する副作用が従来よりも発現頻度が高いものが見出され、それが薬剤師の日頃の業務では見過ごされほとんど放置された内容だったとしたら…。 何も医薬品の副作用を粗捜ししよう!と言っているのではありません。重篤ではないまでも、患者さんのQOLを低下させる副作用が、実は従来考えられていたよりも多岐にわたり頻度が高かった。という可能性もあり得るわけで、それに対する回避、或いは適切な対応のための情報提供によってQOLの低下を最小限に食い止める取組みが、薬剤師にはもっと出来たという話になるかも知れません。

今まで患者さんへの服薬指導の場面で代表的な副作用を説明、確認した際に、「それはないけど、○○な感じがするんだけど、薬のせいかな…」と聞かれ、それでは調べてみましょうと資料を出し始めると、「時間がかかるならいいや」と、そこで話が終わってしまった経験はないでしょうか。まさにこのテの話を拾い上げて積み重ねていく事が、必要であったということになるかも知れません。添付文書上、発現頻度が低い副作用は覚えきれるものではありませんし、確かにデータ上は滅多にあることではないし、軽いならいいじゃない。という発想もあると思います。でも、発現した患者さんにとっては100%になってしまっています。この小さな事実を察して一言を添えられるかが、患者さんとの信頼を深めるポイントだと思います。これを面倒なコトだと思うか、取り組むべきコトと捉えるか、考えていく良い機会です。さて、どんな結果が明らかになってくるでしょうか。

著者:菅野敦之

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