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34.PNP

34.PNP

2012年12月13日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/12/13 09:00 icon_view 141view

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実務実習と同時にPNPという指導時の手法が紹介され、現在では随分と一般化していると思います。学生への指導の際に、いきなり修正点の指摘をするのではなく、先ず良かった点を話し(Positive)、次に修正すべき注意(Negative)、最後に褒めたり励ましたり(Positive)して終了するという教え方を推奨したものです。

最近、この指導法が果たして適切なものかどうか疑問を感じ始めています。もちろん、いきなり注意や叱るのが恒常化したのでは、一歩間違えばパワーハラスメントとも言われかねませんが、逆にPNPばかりで、それに慣れきってしまっては、あまりにも脆弱な人材ばかりが増えてしまうのではないかと危惧しています。また、PNPに慣れ切ってしまい、直接の小さな注意に対しても、明らかに不服の表情を示す場面も目にします。

現実に社会に出れば、否応なしに社内外の様々な人たちと接することになります。様々な人たち(特に苦手な人たち)との接触は学生の頃とは違い、簡単には避けて通れません。ましてやヒューマンケアサービスという仕事の中ではなおさらです。こうした現実を考える時、ずっとPNPという温室で育てられて、いきなり現実の場である野生に放り出される様な状態が、果たして本当に良いものでしょうか? ヒューマンケアサービスという仕事の場では、タフでフレキシブルな精神力が恒常的に必要とされます。本来は社会に出る準備期間である学生のうちに、家庭や学校等という場で少しずつ、様々な人の言動に曝される過程を通して、人との距離の取り方や観察眼を身に付け、少しでも適切に順応し易くなるように備えていくべきものだと思います。その手助けをするのが本来の教育や指導であって、蝶よ花よと軋轢や負荷を必要以上に避けるような方法は、決して本人や社会のためにはなりません。

本当に信頼感のある人間関係が築かれてさえいれば、PNPを介すことなく直接の注意を受けたり叱られたりしても、たいていの場合、軋轢や精神的ダメージは、それほど大きなものではなく、それなりに納得して受け入れてくれる筈です。

ここまで述べて来ましたが、もちろんPNPが全くよろしくない手法だという事を言っているのではありません。実務実習のように信頼感のある人間関係が十分に整う以前の状況での実習を通じて人間関係を構築するという状況の中では、非常に有効な方法であると思います。

やみくもにPNPを使うのではなく、時と場合を考えて上手に使いつつ、社会に十分に適応できる人材を、皆で育成していくことが、将来の薬剤師にとって必要とされています。

著者:菅野敦之

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