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62.食品の機能性表示制度

62.食品の機能性表示制度

2015年04月09日 (木) 07時00分配信 投稿日:15/04/09 07:00 icon_view 198view

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著者:菅野敦之

規制改革会議を機に、医薬分業の評価の議論真っ盛りですが、その間に食品の機能性表示制度が始まります。特定保健用食品や機能性食品に比べ、科学的根拠を示せれば企業の責任において「骨の健康を保つ」等の表示を届出だけで販売できるという簡便なものです。早ければ6月から、このカテゴリーの商品が世の中に出て来ます。

健康食品の不適切な表示や含有成分の問題が後を絶たない中、この制度により、ますます消費者にとっては紛らわしい商品が氾濫する恐れがあるわけです。この不適切な商品から国民は守られなければいけませんし、実際それが出来て、やるべきなのは誰でしょう?

かつて広告代理店の人と話をした時には、「消費者に○○を使わないと、こんなになっちゃいますヨ!と如何に恐怖心を持たせるかが腕の見せ所」と言っていたのを聞いた事があります。健康食品会社の社員は「ギリギリの表現が勝負」といい、食品会社の社員は医薬品との食べ合わせについて「問題にならない限り調査はしない。」など、医薬品や薬理などの専門知識がなければ、それぞれの立場では一つの正義の道理であり、彼らが悪いとは一概に言えません。東京都のHPを見ても、毎年相当数が問題ありと指摘を受けるイタチゴッコです。もちろん本当に真面目に良い商品を送り出している会社もありますが、現実には不適切な商品が数製品出ただけで、残念ながらそのカテゴリーの信頼は大きく損なわれてしまいます。

こうした商品の販売の場や、調剤の窓口でも薬剤師が相談を受ける機会は、決して少なくありません。一見、地味に思うかも知れませんが、氾濫する情報を吟味して生活者に正しい情報と商品や行動の選択の機会を提供することも薬剤師の重要な使命の一つです。

「健食だから、いいんじゃないの」とか「そんな説明する時間に処方箋が何枚扱えるか」という発想は、どう考えてもよろしくありません。特に調剤の場では、この様な会話が患者さんと交わせていれば、薬歴に記載すべき情報も自然と多くなっている筈です。さらに患者さんの不適切な商品選択を止めさせたり未然に防ぐことは、立派なヒヤリハットとして報告すべき話です(以前にも触れましたが、ヒヤリハットは調剤エラーだけではなく、患者さんのリスク回避に寄与した例も含まれます)。どう考えても薬剤師法の第1条に立ち返って本来の業務を真剣に見直す時期です。こんな簡単な事が、社会からの信頼につながると思えてならないのですが、如何でしょうか。

目先の事に目を奪われて足元をすくわれてしまっては、何にもなりませんから。


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