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69.かかりつけ薬剤師

69.かかりつけ薬剤師

2015年11月18日 (水) 07時00分配信 投稿日:15/11/18 07:00 icon_view 477view

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著者:菅野敦之

かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師に加え、健康サポート薬局という言葉がクローズアップされています。かかりつけ薬剤師は「患者が使用する医薬品について、一元的かつ継続的に薬学管理指導を担い、医薬品、薬物治療、健康等に関する多様な相談に対応できる資質を有すると共に、地域に密着し、地域住民から信頼される薬剤師」とされ、地域に必要な医薬品等の供給体制を確保し、その施設に従事するかかりつけ薬剤師が、患者の使用する医薬品の一元的、継続的な薬学管理指導を行っている薬局を「かかりつけ薬局」であると日本薬剤師会では定義しています。

この様な言葉が今さら出されたことに違和感を持っているのは決して私だけではないのではないでしょうか。この定義だけを額面通りに捉えるだけに留まり、その先に見据えられた本当にあるべき姿が見逃されてしまっては困ります。

一定の年齢以上の人から見れば、「あれ?昔からの薬局の事を言っているの?」という感覚に近いはずです。昭和40年代までの薬局薬剤師は調剤こそしていませんでしたが、地域の特性を良く理解して、それに合わせた品揃えや住民への働きかけをしていましたし、何よりも自宅兼店舗(医師も自宅開業)という地域密着型がほとんどで、夜中にシャッターを叩いて解熱剤や風邪薬の求めに応じるのは普通の事でした。患者や利用客の多くは顔見知りで、保健健康や衛生に関すること、はたまた家庭事情も含めて気軽に相談出来、お互いに○○さんと呼び合う気心の知れた関係が多く、薬剤師自身が薬歴そのものとも言える状況でした。

ところが現在は店舗(やクリニック)が自宅とは離れた立地になってしまった事や、自営ではなく勤務薬剤師が増え、関係構築が型通りになってしまった事などが、薬局の対応姿勢に変化をもたらせた一因にもなっていると思います。これに加え、業務の効率を求め過ぎたことによる弊害が大きくなり過ぎたために再度、生活者からの信頼回復に向けて原点回帰を図る必要性が高まった結果が今であると解することができます。

患者にしてみれば自分の身体の不具合は余計な人には出来るだけ知られたくないのが人情ですから、「自分のことを分かっている信頼のできる、いつもの人」を、本当は欲しています。人がコロコロ入れ替わったり、マニュアル通りの定型的な対応をされたのでは、自分の情報を曝すことに抵抗感があるのは当然のことです。

かかりつけや健康サポートの出発点は、決して難しいことではなく、こうした普通の事に普通に応じることです。これが普通に出来れば、薬局・薬剤師の将来は決して悪いものではないでしょう。

この記事について/著者:菅野敦之

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