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88.薬剤師の責任感

88.薬剤師の責任感

2017年06月01日 (木) 07時00分配信 投稿日:17/06/01 07:00 icon_view 359view

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著者:菅野敦之

偽薬問題の背景から、管理薬剤師の責務を果たすために何等かの制度や解釈の見直しの必要性についての話が出ています。開設者への意見具申は医薬品医療機器等法(旧薬事法)に規定されているものの、この条文の実効性が発揮される場面は少なかった様に思います。法文にある保健衛生上の支障を何処までの範囲で解釈するかにもよると思いますが、経営上の考えと実務現場双方にとっての適切な合意点がある筈であり、医薬分業の進展と共にそのバランスが偏った事案が増えつつあるかも知れません。

以前にも書いたことですが、労働集約型産業である医療においては、他の業種に比べて一定の非効率の容認が無ければ「質」を保つのは極めて難しい。他の業種の経営効率と同じにするためには、インフラとして一層の機械化・自動化の整備が不可欠です。

と、ここまで書いてみましたが、こうした問題の根底にあるのは、薬局をめぐる法律はもともと、薬剤師が個人、又は数店舗の小規模展開の想定で、大型チェーンの様な大規模な組織的運営については想定されていなかったため、急速な大型化が進む中で、それに合わせた(本来は先回りして行われるべき)改正が、結果として後付けになってしまっていることも原因の一つであると思います。

更に、当然の事ですが薬剤師の免許は個人に与えられているもので、個々の薬剤師に係る業務は個々が負う責任の下で行われるのが前提でありながら、被雇用者としての医薬分業の職場の急速な拡大が、「個の薬剤師責務に対する責任感」を涵養するのに必要な時間を大きく超えてしまって進んでしまった事については再考が必要なのではないかと思います。医師や看護師の責務に対する意識は、やはり薬剤師に較べると、かなり高い事を認めざるを得ません。24時間365日の医療体制の確保、救急医療、過疎医療の対応充足度を見れば一目瞭然です。

コア・カリキュラムの見直しも、薬局バッシングの声も、実はこうした事に端を発した結果であると言えなくもないでしょう。薬剤師が個人の責務の自覚に基づいた仕事をすれば、薬剤師の信頼は確実に高いものになって、行政や薬剤師会への苦情も少なくなる筈なんですが。

この記事について/著者:菅野敦之

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