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20.菊の節句|漢方歳時記

20.菊の節句|漢方歳時記

2012年09月27日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/09/27 09:00 icon_view 110view

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9月9日は、五節句(節供)のひとつ「重陽の節句」で、「菊の節句」ともいわれます。五節句とは一般に1月1日(正月)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)をいいます。このように、月と日の数が重なることを「重日」といい、特に奇数が重なる場合は、陽が重なる(重陽)ため大変喜ばれます。中でも9月9日は、奇数の最大値の9が重なるため、特別に「重陽の節句」といわれます。この日は、宮中では5月5日に柱にかけられた薬玉が、魔除けと不老長寿の効があると言われている茱萸と菊を入れた茱萸嚢に代える日でもありました。
また、菊の節句と呼ばれるのは、この季節が菊の盛んな時期と重なることもありますが、「中国河南省の菊水は、山中の菊の露がしみこんでいて、この水で造った酒をのむと不老長寿になる」という菊花信仰によります。
 

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*)節句とは、もともと季節の定まった日に神を迎え、神と供に食事すること(直会)でした。中国が起源ですが、日本でも奈良時代にはすでに行われていたようです。これらの日には禊や魔除け、長寿を願う行事が付き物であり、今はあまり行われなくなりましたが、7月7日の素麺や9月9日の菊酒は、魔除けと長寿祈願とを兼ねていました。


菊花

基原は、キク科のキク Chrysanthemum morifolium Ramatulle または シマカンギク C. indicum L. の頭花であり、精油、クレサンテミン、フラボノイドなどを含有します。

性味は、甘苦・涼で、肺経と肝経に帰属します。

『神農本草経』に「風頭、頭眩、腫痛、目脱せんと欲し涙出ずるもの、皮膚の死肌、悪風、湿痺を主る」とあり、風邪を除く、清熱する、目を明らかにし充血をとるなどの効能があります。よって、頭痛、めまい、目の充血、胸部の煩悶感、疔瘡腫毒 (根の深いできもので、内に熱をもったもの)の治療に用いられます。

現代における運用のポイントとして、明目作用があるため、目の充血・かすみ目などの種々の眼性疾患に用い、目を明らかにします。また、辛涼発表作用により、温病の感冒に対して解熱し、頭痛・眼痛を治療します。


六陳八新

古来より、「六陳八新」と言って、生薬ごとに古い生薬の方が良い(六陳:呉茱萸、橘皮、狼毒、半夏、枳実、麻黄)、新しい生薬の方が良い(八新:菊花、蘇葉、薄荷、赤小豆、桃花、澤蘭、槐花、款冬花)という決まりがあります。精油その他の成分で身体に害がある生薬は十分寝かし、精油の揮発、空気酸化等で毒性の無い状態にしてから用います。一方、揮発性成分が薬効として必要な生薬は出来るだけ新しい物を使用し、年を越した物は使用しないのが原則です。


菊花の配合応用

配合

治療

処方

川キュウ

感冒や肝陽亢盛(肝機能亢進によって生じる熱証・気の上衝)による頭痛を治す

清上ケン痛湯
滋腎明目湯

釣藤鈎

上衝した気を下げ、血熱(オ血で炎症の強いもの)および温病で熱が血分に入った状態 (血便・吐血などの出血を伴う)を鎮め、血圧を下げ、目の充血およびめまいを治す

釣藤散

細辛

感冒などによる頭痛を治す

清上ケン痛湯

枸杞子

目の炎症をとり、明らかにする

杞菊地黄丸

桑葉

熱性疾患による咳嗽、目の充血・腫痛を治す

桑菊飲



<参考文献>
漢方薬膳学、横浜薬科大学編、万来舎、2012年.
やさしい漢方入門、総合漢方研究会編、健友館、1995年.
傷寒雑病論(二訂版)、東洋学術出版社、1990年.
漢方210処方生薬解説、じほう、2001年.
傷寒・金匱薬物事典、万来舎、2006年.
漢方医療薬学の基礎、廣川書店、2010年.
根本幸夫:漢方春夏秋冬、薬局新聞社、1995年.
根本幸夫、根井養智:陰陽五行説-その発生と展開、薬業時報社、1991年.


著者:小松一




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