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27.真夏の漢方|漢方歳時記

27.真夏の漢方|漢方歳時記

2013年07月23日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/07/23 09:00 icon_view 369view

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梅雨も明けて夏本番となれば、海水浴に出かける機会もあるかと思いますが、その場合、日焼け対策が必要になってきます。海辺で甲羅干しをすると、皮膚が真っ赤になり、風呂に入ってもヒリヒリと痛み、数日後には、皮が剥けてきます。このような場合、漢方の軟膏である紫雲膏(しうんこう)を使うとよいでしょう。

紫雲膏は、『外科正宗(げかせいそう)』の潤肌膏(じゅんきこう)に華岡青洲(はなおかせいしゅう)が豚脂を加えたもので、その主治は「肌を潤し、肉を平らかにし、創痕色変じたるものを治す」というものです。湿疹、乾癬、水虫、魚の目、たこ、疣、褥瘡、やけど、痔疾患等に広く応用されます。

使用方法は、患部を清潔にしたのち、1日数回、適量を直接患部に塗布するかあるいはガーゼにのばして貼付します。 
 

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処方中の紫根(しこん)は、染料として使われていたムラサキの根で、 『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の中品(ちゅうぼん)に「紫草」として記載があります。明の李時珍が、「味は甘く鹹して気は寒である。心包絡(しんぽうらく)及び肝経(かんけい)の血分に入り、その効力は血を涼し、血を活し、大小腸を利するに特長がある。故に痘疹の発出せんとしてなお発出せず、血熱の毒が盛で大便が閉しょく(へいしょく)するものにはこれを用いるがよく、已(すで)に発出して紫黒になり、便の通ぜぬにも用いてよし」と言っており、肉芽増殖、殺菌、解熱、解毒の作用があります。

当帰は、女性の聖薬として有名です。筋肉皮膚を潤し、血行改善、鎮痛、排膿、肉芽形成促進作用を有します。

紫雲膏の製造方法は、製剤指針には「蜜蝋と豚脂を先に加える」とありますが、これらを先に入れると吹きこぼれる場合があるので、最後に加えた方が取り扱いは容易です。

まず、鍋にごま油を入れて加熱し、当帰を少しずつ温度を確認しながら加えていきます。当帰の色がこげ茶色に変わって浮いてくる頃合を見て当帰を去り、次に140℃くらいにして紫根を入れていきます。油の色が紫赤色に変わったら紫根を去り、布で濾し、蜜蝋と豚脂を加えて溶解した後、冷却して軟膏壺に詰めて出来上がりです。
蜜蝋の量は、冬は少なめにしたほうが皮膚に塗布しやすくなります。
 

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<参考文献>
根本幸夫:漢方春夏秋冬、薬局新聞社、1995年.
李時珍、国訳本草綱目、春陽堂、1977年.
やさしい漢方入門、総合漢方研究会編、健友館、1995年.
矢数道明:臨床応用漢方処方解説、創元社、1997.
薬局製剤業務指針第3版、日本薬剤師会編、薬事日報社、1988年.


著者:小松一




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