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28.冷房病に使う漢方|漢方歳時記

28.冷房病に使う漢方|漢方歳時記

2013年08月20日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/08/20 09:00 icon_view 386view

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1.下半身の冷え

下半身の冷えと水滞を目標として、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)を用います。

『金匱要略』五臓風寒積聚病篇に、「腎著の病、其の人身体重く、腰中冷え、水中に坐するが如し。形水状の如く、反って渇せず、小便自利、飲食故の如きは、病下焦に属す。身労して汗出で、衣裏冷湿、久々之を得、腰以下冷痛し、腹重きこと五千銭を帯るが如し。甘姜苓朮湯之を主る」とあるように、腰から下の水分代謝の悪化により、体が重くて水の中に浸かっている感じがする、腰以下が冷えて痛む、腰に重りをつけた様に下半身が重いなどの症状に使用します。したがって、腰痛、夜間の頻尿、膀胱炎、膝の痛みなどにも応用されます。
 

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2.上半身の冷え

苓姜朮甘湯が下半身の冷えに用いるのに対して、上半身、特に背中がぞくぞくするように感じて風邪を引きやすい状態にある場合には、柴胡桂枝乾姜湯を用います。本方については、既に2011年11月の『漢方歳時記14』に解説しましたので参照してください。
 

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3.腹部の冷え

冷えが腹部に及んだ場合で、嘔吐や下痢、手足・体躯の冷え、食欲不振などの症状には、人参湯附子理中湯を用います。附子理中湯は、人参湯(理中湯)に附子を加味した処方です。人参湯の証で、より一層手足が冷えるものが対象になります。
 

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人参湯と苓姜朮甘湯を比較しますと、その配合は人参と茯苓の違いになります。たった一味の違いですが、人参湯は腹部の冷え、苓姜朮甘湯は下半身の冷えと水が対象となります。

以下に、他の類似する処方の配合を表にしました。温める作用のある乾姜が、降気作用のある桂皮に代わると苓桂朮甘湯となり、水と気をめぐらす。苓桂朮甘湯の朮を去って大棗を加えると、利水作用よりも鎮静作用に重きがおかれ、臍下悸、奔豚(ほんとん)、気の衝逆を治すことになります。

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このほか、婦人病に頻用される当帰芍薬散なども冷房病に用います。


<参考文献>
根本幸夫:漢方春夏秋冬、薬局新聞社、1995年.
やさしい漢方ハンドブック、総合漢方研究会編、平成14年.
宋版傷寒雑病論(二訂版)、東洋学術出版社、1990年.
尾台榕堂:類聚方広義(第三版)、燎原書店、1988年.
やさしい漢方入門、総合漢方研究会編、健友館、1995年.
矢数道明:臨床応用漢方処方解説、創元社、1997年.


著者:小松一




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