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『漢方歳時記』3.端午の節句と薬のはなし

『漢方歳時記』3.端午の節句と薬のはなし

2010年05月21日 (金) 09時00分配信 投稿日:10/05/21 09:00 icon_view 773view

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■端午の節句と薬のはなし


今年のゴールデンウィークはお天気に恵まれ、絶好の行楽日和でしたが、皆さんはお出かけになりましたか?

五月五日は「端午(五)の節句」といわれます。「端」は物の始まりを意味し、「午」は五に通じることから、元々、月の始まりの五のつく日をさします。特に、数字の重なる五月五日を端午の節句と呼ぶようになりました。


1 薬の日と 薬猟 ( くすりがり )
端午の節句は、薬との関わりの深い日でもあります。611年5月5日、推古天皇は、菟田野(現在の奈良県宇陀市)で初めて薬猟を行い、鹿茸を採取したと『日本書紀』にあります。鹿の若角を取っていたようです。その故事に因み、昭和62年、全国医薬品小売商業組合連合会が、5月5日を薬の日と制定しました。

薬猟で採取する鹿茸は、ニホンジカ及びマンシュウジカの雄の頭上の、細かい毛の生えた幼角を加工したものです。骨質の角は鹿角といい、比較的安価ですので鹿茸の代用とされます。

漢方では、動物性生薬を、生殖・生長機能を補う主薬として用います。特に鹿茸は、男性ではインポテンツ、女性では虚寒による白色帯下や不妊症、小児の発育 不良、強度の貧血に奏功します。リウマチ性心疾患においては、動悸・腰が重い・尿の減少・排尿困難などの症状がある場合、冬虫夏草・鶏肉・生姜・棗を鹿茸 とともに食べると、症状が緩快します。また神経衰弱や、病後の衰弱時の滋養強壮に、優れた効果を発揮します。

薬猟はその後、仏教思想の広まりにより、薬草の採集へ変化しました。端午の節句の正午、雨が降ると「薬降る」といい、その雨水は神水として薬の作成に用いられ、また、雨のかかった薬草は特効があるといわれて、珍重されました。


2 しょうぶ
端午の節句はまた、菖蒲の節句と もいい、邪気を払い、疫病を除くことから、菖蒲湯に入る風習があります。我が国では957年、和気時雨が村上天皇に、健康維持のため5月5日の菖蒲湯を勧 めたのが最初で、室町時代には民間に広まりました。菖蒲の茎を適当な長さに切って束にし、熱めのお湯につけます。ヨモギの葉を一緒に浸すと香りがよく、効 果もより一層増します。

漢方で用いる菖蒲は、生薬名を 石菖蒲 ( せきしょうぶ ) と いい、サトイモ科のセキショウの根を乾燥させたものです。胃液分泌促進作用により消化不良に効果があるほか、精神安定作用・利尿作用があります。また、発 熱・意識もうろう状態・呼吸の乱れ・顔のほてり・目の充血・頭がふらつく・難聴などの症状を伴う熱性疾患や咽喉炎・声帯浮腫などによる声がれにも使用しま す。

李時珍の『本草綱目』には、菖蒲の語源について「菖蒲とは、蒲類の草として昌盛であるから菖蒲と名付ける」、「端午の節句に菖蒲を切り、酒に漬けて飲む と、一切の悪を除く」と書かれています。菖蒲湯や漢方で用いられる菖蒲と、一般にショウブと呼ばれるアヤメ科のハナショウブは、全く別の植物です。


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