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5.薬剤師が調剤ミスをしたために、患者さんが死亡してしまった場合の刑事責任

5.薬剤師が調剤ミスをしたために、患者さんが死亡してしまった場合の刑事責任

2010年11月24日 (水) 09時00分配信 投稿日:10/11/24 09:00 icon_view 647view

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先日、処方箋記載の量の4倍量のワーファリンを調剤してしまったために、患者さんが死亡したとして、薬剤師2名が業務上過失致死罪の疑いで書類送検されたという報道がありました。この事件は、今年の4月頃に警察が薬局に家宅捜索に入ったということでも報道されていた事件です。

このような事件が報道されましたので、今回は薬剤師が調剤ミスをして患者さんが死亡してしまった場合の薬剤師の刑事責任について解説したいと思います。
 

1 刑事裁判とは


みなさん、調剤ミスで訴訟になるというとどのような内容を想定しますか。

刑事裁判でしょうか、民事裁判でしょうか?

なかなかこの点が明確でない方も多いのではないかと思いますが、調剤ミスで訴訟になるかもという時にみなさんが思い浮かべるのは民事裁判(民事責任)が多いのではないでしょうか。このコラムの解説でも今までは民事責任を主に書いてきています。民事責任とは患者さんに被害が起きた場合には、その損害を金銭で賠償しなければならないということです。 これが話合い等で解決できない場合に民事裁判になり、責任の所在と責任は範囲を明らかにすることになります。民事裁判とは私人間(一般の方同士)の争いを解決するための手続きです。

これに対して、刑事裁判とは、国家が個人に対して刑事罰を科すためにする裁判です。

両者とも裁判といわれることでは同じですが、その目的、手続きの方法等は全く異なります。

なぜ、調剤ミスや医療ミスの解説で民事責任についてのものが多いかというと、刑事裁判になるのはまれだからです(刑事裁判になるか否かは、主に検察官の裁量によることが大きいと考えられますが、すべての医療事故が刑事裁判になるということはありません)。 交通事故を思い浮かべていただければわかりやすいと思いますが、交通事故で相手方に怪我をさせた場合、金銭的な賠償の問題は必ず起こりますが、すべてが刑事責任を問われるわけではありません。それと同じことです。

刑事責任と民事責任は全く異なる責任ですから、原則この二つの手続きは別々の手続きによって裁判が行われます。


(次ページ)今回の事件は、なぜ、刑事事件になったのか。・・・

Good9

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