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『薬剤弁護士の簡単法律講座』12.薬局の安全

『薬剤弁護士の簡単法律講座』12.薬局の安全

2011年04月28日 (木) 09時00分配信 投稿日:11/04/28 09:00 icon_view 516view

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今回は、薬局の安全に関する義務について解説したいと思います。
次のような事例の場合、Y薬局(薬局開設者)は患者Xに対して責任を負うでしょうか。

事例
患者Xは、Y薬局に来局したところ、薬局内で転んでしまい全治3ヶ月の傷害を負った。 転んでしまった原因は、薬局に試供品としておいてあったハンドクリームが床にこぼれていたのを放置してしまったため、患者Xがそれを踏んでしまったからであった。そのハンドクリームを落としたのは、薬局に来ていた患者さんと思われるが、誰であるかは明らかではない。Y薬局(薬局開設者)は患者Xの損害を賠償する責任を負うか。

1 責任の有無
本事例では、ハンドクリームを落として患者Xが転ぶ原因を作ったのは、先に来ていた患者さんです。そのため、このような場合、患者さん同士の問題であり、薬局(薬局開設者)の責任は問題にならないと考えがちです。しかし、本事例の場合、以下のとおり薬局(薬局開設者)にも法的責任が発生します。具体的には、治療費、逸失利益、慰謝料等の損害金を患者さんに支払わなければならないということです。
したがって、安易に患者さん同士の問題ですから、患者さん同士で解決してくださいというような対応をしてはいけません。薬局(薬局開設者)にも責任が発生する可能性があるとことを前提にして対応する必要があるでしょう。

2 土地の工作物等の占有者の責任
では、どのような根拠で、薬局(薬局開設者)に法的責任が発生するのでしょうか。
民法717条1項には、以下のような定めがあります。
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条  土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。



(次ページ)ここでいう「土地の工作物」には・・・

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