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『薬剤弁護士の簡単法律講座』15.薬剤師への判決(1)

『薬剤弁護士の簡単法律講座』15.薬剤師への判決(1)

2011年08月02日 (火) 09時00分配信 投稿日:11/08/02 09:00 icon_view 826view

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先日、薬剤師が疑義照会を怠ったとして、薬剤師3人に不法行為責任を認め、賠償金の支払を命ずる裁判例がでました(東京地判平成23年2月10日 判例タイムズ1344号90頁)。今回と次回で、この事例について解説したいと思います。

1 事案
K病院に入院していた患者Xに対して、ベナンバックスを常用量の5倍投与し、患者Xが死亡したことについて、患者Xの相続人らが、投与を指示した医師のほか、上級医(2名)、調剤を行った薬剤師、調剤監査を行った薬剤師(2名)及び病院の開設者に対して、それぞれ不法行為責任に基づき、損害賠償を請求した事案。

2 争点
本件の争点は、上級医の責任、因果関係等様々ありましたが、今回は、薬剤師の責任(過失の有無)についてだけ説明します。
過失とは、以前説明したように、結果回避義務違反、すなわち、本来義務があったのにそれを怠ったということです。したがって、過失の有無を判断するポイントは、注意義務があったのか、その注意義務を怠ったのかの2点になります。本件では、疑義照会を行っていないことには争いはありませんので、注意義務があったのか、すなわち、常用量の5倍の処方について、調剤をした薬剤師及び調剤監査をした薬剤師に、疑義照会をする義務があったのかということが争点になりました。

3 当事者の主張
疑義照会をする義務についての当事者の主張を簡単にまとめると以下のとおりです。

(1)原告(患者側)の主張
ア 薬剤師は、オーダリングシステムの警告機能の有無にかかわらず、薬剤師法24条に定められている「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない」という疑義について確認する義務を負っている。


(次ページ)イ 薬剤師法24条の疑義照会の義務は・・・

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