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『薬剤弁護士の簡単法律講座』30.副作用の情報提供義務

『薬剤弁護士の簡単法律講座』30.副作用の情報提供義務

2012年11月08日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/11/08 09:00 icon_view 276view

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まれにしか起こらない重篤な副作用について、薬剤師は投薬時にどの程度説明をする義務を負っているのでしょうか。仮に患者さんに重篤な副作用が発生し、説明していなかった為に悪化してしまった場合、薬剤師は責任を問われるのでしょうか。
 

1 情報提供義務

薬剤師は、投薬時、適正な薬剤使用のために服薬指導をする義務を負っており、副作用等の服用上の留意点を患者さんに伝える必要があります(薬剤師法25条の2)。それでは、何万人に一人にしか起こらないような、まれな副作用についても、患者さんに伝える必要はあるのでしょうか。

薬剤師が、このような義務を負っているとすれば、まれにしか起こらない副作用についてなんら説明せず、そのために副作用の発見が遅れるなどして、患者さんに健康被害が起こってしまえば、薬剤師は責任を負うことになります。

(情報の提供)
薬剤師法25条の2
薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。

2 裁判例

  このような義務があるか否かは、医師に対する裁判例ですが、参考になる裁判例があります(高松高判平成8年2月27日 判例タイムズ908号232頁)。事案の内容は、 医師がアレビアチンとフェノバールを併用投与していたところ、患者さんが退院後に中毒性表皮融解壊死症(TEN)を発症して死亡してしまい、患者さんの遺族が投薬に際して医師に注意義務違反があったとして損害賠償請求をした事案です。裁判所は、「その副作用の結果が重大であれば、発症の可能性が極めて低い場合であっても、副作用が生じた時には早期に治療することによって、重大な結果を未然に防ぐことができるように、服薬上の留意点を具体的に指導すべきである。」とし、100万人に1人しか起こらないとされる中毒性表皮融解壊死症(TEN)についても、服用上の留意点を説明する必要があると判断しました。そして、その説明方法については、単に「何かあればいらっしゃい。」という一般的な注意だけでなく、「痙攣発作を抑える薬を出しているが、ごくまれには副作用による皮膚の病気が起こることもあるので、かゆみや発疹があったときにはすぐに連絡するように。」という程度の説明が必要だとしています。


(次ページ)この判決は、医師に対するものですが・・・

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