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『薬剤弁護士の簡単法律講座』34.会社からの薬剤師に対する損害賠償請求

『薬剤弁護士の簡単法律講座』34.会社からの薬剤師に対する損害賠償請求

2013年03月07日 (木) 09時00分配信 投稿日:13/03/07 09:00 icon_view 573view

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■質問

私は、薬剤師として薬局に勤務していますが、業務に関しミスをしてしまい会社に損害を与えてしまいました。会社の社長は、その損害についてどうするつもりなのかと言っています。

このように従業員が業務に関わることでミスをし、会社に損害を与えてしまった場合、会社に損害を賠償しなければならないのでしょうか。
 

■回答

業務を行うにあたり、従業員が過失により会社(使用者)に損害を与えた場合、従業員は使用者に対して債務不履行(民法415条)または不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任を負うことになります。したがって、ご質問の事例が薬剤師に過失が認められる場合であれば、薬剤師は、会社に対し、損害を賠償しなければならないことになります。

しかし、従業員は使用者の指揮監督を受けて業務を行っていること、使用者は従業員の活動を通じて利益を得ていること等を考えると、使用者が損害を引き起こす可能性のある労働を従業員に委任しておきながら、使用者がリスクを取らず、生じた損害をすべて従業員に転化することは不当であると考えられます。したがって、損害賠償責任があるとしても、全額従業員が負担するのは、損害の公平な分担という見地から適当ではありません。

この点につき、判例においても「使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を負担したことに基づき損害を被つた場合には、使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し右損害の賠償又は求償の請求をすることができるものと解すべきである。」(最判昭和51年7月8日、最高裁判所民事判例集30巻7号689頁)と判断しており、会社から従業員への請求は、信義則上相当と認められる限度に減額がされることを明らかにしています。

以上のとおり、従業員である薬剤師は、会社に損害賠償をしなければなりませんが、損害の全額を賠償する必要はありません。従業員において、どの程度の賠償が必要かの判断要素については、前記判例が網羅的に示していますので、これらの事情をみて判断することになりますが、あくまで総合的な判断になるので、個々の事案によって減額する程度は異なることになります。なお、前記判例の事案(交通事故の事案)においては、損害の4分の1を限度として賠償及び求償を請求できるとしています。


著者:赤羽根 秀宜

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