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11.事例より考えるやる気の向上(2)

11.事例より考えるやる気の向上(2)

2012年12月28日 (金) 09時00分配信 投稿日:12/12/28 09:00 icon_view 250view

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前回は、薬剤師の賃金の現状を紹介しました。薬剤師の賃金特に新入職員の賃金高騰が、調剤薬局の経営的側面からも働く人々のやる気の向上につながらないことを紹介しました。今回は「仕事のやりがい」、「やる気(モチベーション)」の維持・向上に役立つケース事例を紹介します。

医療業界は、介護業界を含め大きく転換の時期にあります。業界の政策的変遷を少し振り返ってみます。
介護業界は、平成12年に介護保険法が施行され、さまざまな施設が介護サービス事業として開始しました。そして、当初は受け入れの量を確保することに始まり、「情報の公表」の実施、「キャリアパス」の推進など介護サービスの質的側面の強化が図られてきました。
一方薬剤師がもっとも多く働く調剤薬局の経営状況は、処方箋受取率(医薬分業率)が全国平均で昭和55年度にわずか3.9%だったのに対して、平成23年度は64.6%となりました。保険調剤の金額は平成22年度で年間6兆2,271億円(日本薬剤師会「平成23年度 保険調剤の動向」より)でした。処方箋受取率の上昇から、調剤薬局業界の市場規模とも言える、保険調剤の金額は年々増加しており、直近10年では約2倍と高成長市場でした。しかし、処方箋受取率の全国平均は、平成20年度59.1%、平成21年度60.7%、平成22年度63.1%、平成23年度64.6%と推移しており、成長は鈍化の兆しを見せています。さらに大手チェーンが毎期積極的な新規出店を仕掛ける中、市場の奪い合いが始まっている状況です。
この中、薬剤師も6年制薬剤師制度導入と同時に薬学部が増設されました。薬学部増設は薬剤師の量的増加をめざし、6年制薬剤師で質的向上を目指していると言えます。医薬分業つまり薬剤師の役割も従来に比べて大きく変化をしてきます。政策として薬剤師の質的向上を目指す状況下で働く薬剤師の仕事に対するやりがいについて考えてみます。
 

○仕事のやりがいについて

今年の診療報酬改定より薬剤師に求められていることをピックアップしてみました。

平成24年診療報酬改定より
I 在宅薬剤管理指導業務の推進や薬局における薬学的管理及び指導の充実
◎在宅薬剤関連業務を推進するとともに、残薬確認、お薬手帳を含めた薬剤服用歴管理指導の充実を図る。
II 後発医薬品の使用促進
◎ 薬局からの後発医薬品の情報提供等を推進する。
以上のことより、薬剤師も処方箋に基づき薬を調剤するだけではなく、在宅患者を中心に患者さんの服薬履歴の管理を行う。また、後発品等の情報提供を行うことが求められています。
薬剤師にとっても以上のように患者さんとコミュニケーションをとりながら薬剤師業務を行うこととなります。ここに薬剤師としての仕事に対するやりがいを見つけなければなりません。それでは、調剤薬局の仕事の中からやりがいを見つけ出すヒントを事例より考えてみます。


事例1

住宅街の医療モールの門前薬局に就職して2年目の薬剤師Aさんの事例です。働く仕事にも慣れたAさんは最近仕事に対して満足感が得られなくなっていました。Aさんは、日常の仕事は同じことの繰り返しでやりがいがないと思っていました。確かに毎日来る患者さんはほとんど顔見知りです。「あ!また、Bさんだ。」という具合です。そして、気弱な患者さんに対して無愛想な態度で処方箋どおりに薬を調剤するだけです。病気で気弱になっているBさんはますます元気がなくなってきました。これで医療業界に籍を置き、薬剤を管理する薬剤師と言えるでしょうか。
AさんにとってBさんとの出会いは偶然でしょうか。このように考えてみませんか。BさんはAさんあなたのアドバイスが必要だからこの調剤薬局を訪れたのだと。
すると、Aさんは、Bさんに対して、何かしなければと思うでしょう。そのような気持ちの中からコミュニケーションが生まれ、薬剤師としての本来の仕事ができるようになります。
病気で気弱になっている患者さんが多く訪れる調剤薬局です。「最近体調は如何ですか?」、「お孫さん、お元気ですか?」など薬剤師であるAさんの笑顔と心温まる一声がどんなに元気づけられることしょう。そして、患者さんに喜ばれ感謝される中で「人に役立っている」と感じた時働く人は「やる気」が向上して転職などは考えなくなります。
 

事例2

地方の住宅地の調剤薬局に働く薬剤師のCさん。月に1回、持病の薬をもらいに来るDさんとは顔見知りで世間話をする間柄です。ある日から、Dさんは別の医院で、認知症の薬が処方されるようになりました。薬剤師であるCさんは、Dさんが2つの医院から薬を調剤されていることを知るただ1人の専門家となります。このような場合服薬指導は非常に重要になります。持病と認知症の薬を処方しながら時には医師と相談する服薬指導は薬剤師として重要な仕事です。服薬指導は、「あ!またDさんだ。」と思って出来ることではありません。
Dさんの来院が、処方した日数以上に空いた場合、薬剤師としてあなたならどのようにDさんに対して声をかけますか?服用忘れ、認知症の進行度合確認等いろいろと服薬指導をする事柄があります。処方箋による薬の処方だけでも一定の売上げは上がります。しかし、Cさんのコミュニケーション、明るい笑顔と共に一言の問いかけが本来の服薬指導となるのではないでしょうか。特に認知症の患者さんの場合飲み忘れは日常茶飯事に起こりうることです。どのように服薬指導をしますか。持病や認知症の服薬は一生のかかわりになります。その患者さんを一生サポートできることは薬剤師としてのやりがいにつながることでしょう。

このように厚生労働省の政策のもと医薬分業が進み調剤薬局の薬剤師の仕事は、単に薬を調剤する薬剤師から薬の専門家として薬のアドバイスができる薬剤師へと質的に大きく変わることが求められています。病気で気弱になっている患者さんや認知症の患者さんは、薬の専門家である薬剤師のアドバイスと同時に傾聴力を持った共感性ある明るい笑顔の薬剤師を求めています。これからはそれに応える薬剤師としての力量が求められます。そこに薬剤師業としての「やりがい」を見つけ出すことが出来ます。

次回は引き続き「上司や同僚との人間関係」について考えます。


著者:坪内直樹

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