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22.薬剤師を取り巻く情勢よりやる気の向上を考える(薬剤師の将来ビジョンより)

22.薬剤師を取り巻く情勢よりやる気の向上を考える(薬剤師の将来ビジョンより)

2013年11月26日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/11/26 09:00 icon_view 271view

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前回までは、薬剤師の皆さんの気持ちの持ち方や行動で、やる気の向上に繋げる事例を紹介してきました。今回より薬剤師の皆さんを取り巻く情勢の変化を見誤らず、的確に対応することによって、「やる気の向上」に繋げる方法を考えます。今回は薬剤師会が作成した「薬剤師の将来ビジョン」より考えます。

○「薬剤師の将来ビジョン」より
皆さんはすでにご存知かもしれませんが、今年の4月に薬剤師会が発表した「薬剤師の将来ビジョン(以後ビジョンという)」より今後の薬剤師の将来像について見てみます。その中から薬剤師として自らの夢が実現できる方向性を見つけ出すことが「やる気の向上」に繋がります。

ビジョンに掲げられたキーワードは、薬剤師会がビジョン作成に当たり行ったアンケートによると、『高齢社会の進展』が第一位、『国の財政逼迫』が第二位という結果でした。(ビジョンより)それを踏まえてビジョンでは、すべての薬剤師に対して薬剤師の職能および役割として、社会から何を求められ、何を成すべきなのかを規定しています。それは以下の4点です。

1. 近い将来に到来する「超少子高齢社会」における医療、介護、福祉などの社会保障体制の整備という国家的課題への対応として
(1)地域完結型の医療・介護の体制を整備するため、「地域包括ケアシステム」の一員として在宅医療における明確な役割を示し、主体的に取り組むこと
(2)「健康な長寿社会」を実現するため、日ごろの健康相談やセルフメディケーションへ貢献すること

2. 医療・薬物療法の進歩に応じ、薬剤師職能の多様化に積極的な対応として  
(1)在宅医療の進展、病院薬剤師の病棟業務等における新たな役割の進展を踏まえ、チーム医療 の一員として主体性と連携に基づいて「医薬品」というモノの管理から、薬物治療を管理する役割へと進化を果たすこと
(2)地域住民の保健指導、生活習慣病予防に、フィジカルアセスメント、すなわち検査薬使用や血圧測定等を積極的に行える体制を整備すること

3. 医薬品の開発研究、生産、流通過程において、「医薬品の安全管理」という基本認識の履行者として薬剤師が先頭に立つ
(1)薬剤師が“医療の担い手”である自覚を持つこと

4. 地域社会に貢献する
(1)薬局や医療機関における医薬品の取り扱いを通じて、社会の安全を確保するセーフティネットワークの一員として、中核的な役割を果たすこと
(2)“医療の担い手”“街の科学者”“薬化学者”として、高い倫理と専門性をもって社会の多様な役割を担うこと

○薬局薬剤師の将来ビジョン
地域に最も近い医療提供施設である薬局は国民のセルフメディケーションを専門的な立場からサポートし、その質を高めることが薬局薬剤師の重要な社会的役割となります。

在宅医療の進展と共に、医療法において「医療提供施設」として位置づけられる薬局が、医療保険や介護保険サービスだけでなく、生活者の保健・健康増進に関わる活動から、一般用医薬品の供給等セルフメディケーションにまで関わってこそ、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」として国民に選択され、信頼が得られます。

国際的に、GPP(Good Pharmacy Practice/薬局業務規範)では、セルフメディケーションに関する薬局サービスの基準として、全ての国において下記の基準を設けることが必要であると提言されています。薬局・薬剤師がセルフメディケーションの拠点として地域住民に密着した存在となる為に必須な項目であり、全ての薬局薬剤師が体制整備に取り組むことが求められています。

1)他人に聞かれることなく会話ができる施設
2)関与する従業員の資質確保
3)患者・生活者ニーズおよび状況等の確認手順と評価法の確立
4)推奨する医薬品の有効性と安全性の確保
5)受診勧奨およびフォローアップ

さらに薬局薬剤師が国民・社会から評価され信頼される将来像を構築するには、今後の医療・介護サービスの基礎となる「地域包括ケアシステム」におけるチームの一員として、薬局薬剤師の機能を十分に発揮し、その役割を果たしていけるか否かにかかっていると言えます。特に以下の事が求められています。

1. 受診勧奨における地域医療連携
薬剤師から医療機関に対する受診勧奨では、口頭での指導にとどまらず医療機関に対する「紹介状」等による情報提供の仕組みを構築することで、地域におけるプライマリケアに貢献することができます。セルフメディケーションとプライマリケアの連携を明確にすることにより、国民、医療従事者がセルフメディケーションの意義を再認識する結果に繋げます。

2. 在宅医療における医療材料等の供給
薬局薬剤師には、在宅における医薬品供給と訪問指導による薬学的な管理の他、在宅療養で利用する医療・衛生材料や介護関連用品の供給も求められます。介護保険制度の導入に伴い、一部の薬局薬剤師は介護支援専門員の資格を取得し、薬剤師の新たな職能に取り組んできました。医療・介護の在り方として地域包括ケアシステムの概念が示され、医療と介護のシームレス(継ぎ目のない)な提供が求められている中、医療従事者と介護従事者の連携体制を構築することは重要な要素です。今後、介護支援専門員の資格を取得している薬剤師は、居宅介護支援事業所での活動はもとより、医療と介護の双方の視点を持つ資格者として、多職種連携を推進する基点となることが期待されます。

○最後にまとめとして
ビジョンでは、薬剤師としての課題は、国民に顔の見える「薬剤師像」を示すことである。そのためには、薬剤師の職能を高めることは勿論のこと、国民が何時でも気軽に利用できるアクセス環境を整備することが重要である。国民に「処方箋を持っていなければ薬局に入りにくい」という印象を与えてしまっては、国民から支持される成熟した医薬分業を構築することはできない。としています。 

以上、「ビジョン」に示されている将来の薬剤師像について紹介しました。「ビジョン」に示された薬剤師の方向性を理解し、自らの「夢」の実現方向がどこにあるかを考えてみてはいかがですか。それが「やる気の向上」への第一歩となります。

次回は「社会保障と税の一体改革」に示された薬剤師像について紹介します。


この記事について/著者:坪内直樹

 
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