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11.正しいか正しくないかで判断していませんか

11.正しいか正しくないかで判断していませんか

2011年12月12日 (月) 09時00分配信 投稿日:11/12/12 09:00 icon_view 546view

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前回は、コントロールできることとできないことをきちんと区別して、コントロールできないことへの執着は手放してコントロールできることに意識を向けましょうということをお伝えしましたが、今回は別の囚われやすい判断基準についてお伝えしようと思います。それは、「正しいか、正しくないか」という評価の仕方です。

人間関係のお悩みの中には、「あの人はおかしい、間違ってる」「わたしのほうが絶対正しいのに・・」のようなものがあります。うまくいっていない相手との関係は、相手に全面的に非があって自分は完全な被害者だという訴えです。言い換えれば、「私は悪くない。相手が悪い。私はこんなにまともなのに、おかしい相手からこんな不条理な目に遭わされて納得がいかない。」とまあこんなかんじでしょうか。

こんなふうに自分を正当化すればするほど、人は相手に過ちを認めさせ更に行動を改めさせたくなるものです。しかし、前回お伝えしたように、他人と過去は変えられません。お気づきかもしれませんが、正しい・正しくないでものごとを判断していると、正しくない(間違っている)相手のことを矯正したいというコントロールの罠に陥ってしまいます。

また、人間関係は今の自分の鏡でもあるので、どちらか一方が感じていることは相手も少なからず感じていることが多いものです。たとえば、相手に何かしら不満を抱いていると相手も何か不満を抱いていたりします。「この人ってなんていいかげんなんだろう」と思っていると、相手は「この人はいちいち細かすぎてうるさい」なんて思っている、そんな例はいくらでもありそうですよね。

一方、「私は間違っているんじゃないか」と常に自信がもてないで不安な人もいます。つまり、正しい・正しくないで人を評価していると、必ずどちらかが間違っている人となり、その人を攻めずにはいられなくなるという対立関係を深める方向に進んでいってしまうのです。はたして、それで誰が幸せになるでしょうか。

そもそも、正しいか正しくないかということはどうすればわかるのでしょう。
相反する二人がそれぞれ自分が正しくて相手が間違っていると思っているなら、いったい何が正しいのか、誰がそれを決めることができるでしょうか。ですから、もし自分が正しさに囚われていると気づいたら、「違う違う、間違ってるんじゃなくて、私とあの人とは違うだけ」と何度も自分に言い聞かせてあげましょう。

私もカウンセリング中に「ね、おかしいと思いませんか」などと同意を求められることがありますが、そういうときは安易に賛成してしまわないように気をつけています。ここで相手を完全な加害者に仕立て上げてしまったら、その相手と和解する道が断たれてしまうからです。もちろん、相手に問題のあることも多いのですが、その場合も相手を全面否定するような言い方はしないで、「その相手にはこうこうこういう傾向があるようなので、どう対処すればいいか一緒に考えていきましょう」のような表現を心がけています。この問題は相手によって対処法が少し違うので、次に説明していきます。
 

●相手が仕事関係の場合

相手が上司や部下の場合は、「正しい・正しくない」が実は「好き・嫌い」であることも多いものです。好き嫌いは本能的な感情ですから、理由はいりません。しかし、「あの人嫌い」と認めるのは、感情を抑圧しがちな人にとってはかなり抵抗があることです。だからその代わりに「あの人はおかしい」と話をすり替えるのです。相手が「おかしい」なら堂々と批判や否定などの攻撃ができるからです。

試しに、今気に入らない上司や部下をもっている方は、「私○○さんのこと、嫌い」と言ってみてください。言ってみてどんなかんじがしますか。もし少しでもスッとした方は、「そうか、私は○○さんのこと嫌いだったんだ」と自分に言ってあげてください。それだけで腹落ちされる方もいらっしゃると思います。

そして、嫌いだとわかったら、好き嫌いはあってもいいけれど、それと仕事とは関係ないのだから、嫌いなら嫌いでできるだけ最小限の関わりで最大の成果をあげられるような効率的な仕事の仕方を考えましょう。嫌いだから無視するとか、意地悪するなどはもってのほかです。だからといって、嫌いな人を無理矢理好きになる必要もありません。好き嫌いの感情はあるけれど、それをなるべく仕事に影響させず淡々と成果を出すのが大人というものです。

また、特に嫌いではないけれど、相手のやり方がどうしてもおかしいと思う場合は、それによって仕事にどう支障が出ているかという生産性の問題にして考え、改善の方策を提案してみるといいと思います。そうすれば、その人自身ではなくそのやり方だけに焦点があたるので、言われる方も自分を否定されると身構える必要がなくなり建設的な話し合いができます。たとえば、「今のやり方だとこういう問題が起きやすいので、こういうふうにしてもらえたらもっとスムースに仕事が回ると思うのですが・・」などと言えばどうでしょう。
 

●相手が好きな人の場合

家族に対しては人によって複雑な感情があると思いますが、パートナー、恋人、親友などは基本的に自ら好きで選んでいる相手なので、仕事相手とは対応が違います。

好きな相手なのに、「正しい・正しくない」が始まってしまったら要注意。前述したように、そのままコントロール合戦に突入していってしまいます。こうなってしまうときは、おそらくコミュニケーション不全で、お互いの気持ちや願望がうまく伝わっていないと考えられます。なるべく早く二人でゆっくり話す機会をもって、正直な気持ちを伝えましょう。その際は、不平不満をぶつけるのではなく、どうしてほしいのかをできるだけ具体的な行動のかたちで示すことがポイントです。たとえば、「もっとやさしくしてほしい」ではなく、「1日5分でいいから話を聴いてほしい」とか「重い荷物は持ってほしい」などのように。

いかがでしょうか。 正しいか正しくないかで人を評価するのは、人を敵か味方かで仕分けするようなもので、評価する自分もされる人も決して楽しくはないと思います。また、自分がどんなに正しいと思えても、それで幸せを感じられるかと言えば甚だ疑問です。

本当に正しいかどうかは誰にも決める権利などないということ、もし決められたとしても円満な結末は望めないであろうこと、人との違いはただの違いであり、そのために不都合があるなら話し合って妥協点を見いだせばいいのだということ、好きな人とはコミュニケーションの労を惜しまず、嫌いな人とはなるべく距離をとって自分を守ること、これらを意識していただけると少しココロに余裕ができると思います。


著者:藤井雅子

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