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『医薬品工場の片隅から』13. 2012年インフルエンザ流行とサーベイランス

『医薬品工場の片隅から』13. 2012年インフルエンザ流行とサーベイランス

2012年02月09日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/02/09 09:00 icon_view 406view

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2012年のインフルエンザの流行は、1月2週目から3週目との間で定点あたりの患者報告数が約3倍となり、例年通り1月末から2月にかけて増加の傾向を辿っています。これは、年末年始の休暇や、冬休みを終え、会社や学校などでの人々の交流が活発化するという社会活動と、寒く、乾燥した気候という環境要因も影響しているものと思われます。
2011~2012年のインフルエンザウイルスの検出状況を、国立感染症研究所感染症情報センターの病原微生物検出報告をまとめたグラフを見てみると、最も多いのがA香港(H3)系統のウイルスで、ほぼ全体の8割以上を占めており、一昨年流行した新型インフルエンザA(H1)pdmは殆ど見受けられていません。
これは、2年前の流行の際にA(H1)pdmに罹患する、もしくはワクチン接種により獲得した免疫が、継続して感染を阻止していることを示唆しています。逆に、2006年~2007年に流行したH3が5年ぶりに流行していることから、H3のウイルス株が変異して、5年前のH3ウイルスに対する免疫応答性が変化していることが考えられます。これを裏付けるデータとして、昨年10月下旬に、三重県や兵庫県等で発生した集団かぜ発生に伴う防疫措置により取得された検体から、インフルエンザA(H3)型が遺伝子解析により検出され、抗原解析により今シーズンのインフルエンザワクチン株(A/ビクトリア/210/2009(H3N2))との反応性が低い抗原性であることが分かったこととも相関していると思われます。この変異の速さが、インフルエンザワクチンは一度接種しても、翌シーズンに再度接種を行い、常に変異に対して対応する必要がある、いわば「イタチごっこ」な状態になっている理由なのです。


(次ページ)それでは、ワクチンは「効かなかった」のでしょうか・・・

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