数字のミカタ
■数字に物語を
今から、会計というものを紹介します。開発メーカーや薬局といった医薬品業界を志す皆さんにとって新しい視点を得ることになるかもしれません。
さて、経営は数字で表現することができます。それが会計です。皆さんの会計のイメージはどうですか。縁のないもの、勉強したことがないものでとっつきにくいかもしれません。会計の定義は、企業などの活動を金額に換算した情報で記録して判断に役立てることです。だとすると、お家でつけている「家計簿」も会計の範囲に入りますね。
企業は顧客から売上の収入を得てこれらを元手にさまざまな投資を行って営業活動をしています。当たり前のことですが、企業は利益を稼がなければなりませんし、利益がどのくらい出ているか日頃から注意していなければなりません。
会計について、具体的な構造や記録方法などを説明してしまうと、簿記の授業になってしまうので省略しますが注意事項が少しあります。会計の知識でもって決算書が作れなければ意味がないということは誤解です。会計は道具ですから、皆さんは会計数字を操ることができればいいのです。
それから、会計では、企業の活動を記録する方法はいくらでもあって、記録の利用目的によってその採る手段を変えることができるということです。利益や売上を計算する上で、粉飾やうそではなく正解がいくつもあるのです。自然科学ではありえませんが。 このような中で、正しく数字を読み、伝え、次の判断に役立てる能力を身につけることが大事です。
ヒットしたテレビドラマで幕末に現代の脳外科医がタイムスリップする話しがありました。ペニシリンの抽出によって感染症を退治し、主人公の周りにいる多くの人々が救われました。突如として生まれた薬や技術が歴史や人々の人生を大きく変えてしまうその影響力に驚いたものです。思わず、その物語に引き込まれていってしまいました。わたくしも経営状況の説明をする上で、社長さんなどに数字に物語を付けてお話します。このキャッシュはどこから来たとか、他社と比べ従業員の効率がいいから儲かっているとかの数字を使った説明をしています。数字を睨んでうーんと想像力を膨らますのです。すると物語が浮かび上がってきます。
余談ですが、とかく信じてしまうのが、活字と数字だったりします。怖いものですが、数字を使った説明をすると俄然、説得力が増すものです。今回紹介しているメーカーの市場規模や経営指標などを憶えておくと、飲み会のときに活躍するかもしれません。
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