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臨床腫瘍薬学研究会(薬局薬剤師としての活動)|がん治療と向き合う薬剤師

臨床腫瘍薬学研究会(薬局薬剤師としての活動)|がん治療と向き合う薬剤師

2012年02月23日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/02/23 09:00 icon_view 583view

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1、はじめに

 私が現在勤務している店舗は、東京女子医大病院の門前に在ります。東京女子医大病院は、東京都のがん診療連携拠点病院です。その門前薬局にいながら、がん患者のサポートができないのは問題ではないかと感じました。
  私が調剤薬局に勤務してから10数年、「余計なことを言ってはいけない。」それが、がん患者に対しての薬局薬剤師のスタンスでした。告知を受けているかもわからないのに、「抗がん剤です。」と説明するわけにはいかず、ましてや医師の治療の妨げになってはいけないと考え「医師から、説明を受けていますか?医師の指示通りに使ってくださいね。」と当たり障りのない言葉しかかけられませんでした。
  また、医療用麻薬を多数在庫している店舗の薬剤師でありながら医療用麻薬の知識もままならない自分を歯がゆくも感じておりました。
  そんなある日、東京女子医大病院薬剤部の友人から病院内で開催されている「緩和薬物療法専門薬剤師勉強会」への参加を勧められました。病院薬剤師の勉強会に薬局薬剤師が参加してついていけるのだろうかと不安もありました。しかし、思い切って飛び込んだことがきっかけとなり、後に薬薬連携の足掛かりをつかむことができたのだと思います。
 

2、病院薬剤師との交流

 「緩和薬物療法専門薬剤師勉強会」はその当時、薬局薬剤師は私を含めて2人だけでした。しかも症例検討のグループワークなので発言も求められます。最初こそ戸惑いましたが、継続は力なり、参加から1年たった頃には、病院薬剤師の中で自然にディスカッションができるようになっていました。麻薬処方箋を調剤しながら、患者の背景や、痛みの具合を意識するようになり服薬サポートの際には、患者やその家族の麻薬に対する不安を取り除く話もできるようになりました。

それから数か月たったある日、勉強会で顔見知りになった病院薬剤師から「薬薬連携って知っている?XELOX療法について一緒にやってみない?」と声がかかりました。「薬薬連携」「XELOX」正直、知らない言葉でした。知らないことを知る。そのためにも「やってみよう!」と引き受けました。
 

3、XELOX療法から始めよう

 XELOX療法とは、切除不能進行・再発大腸がんに対する化学療法で注射剤オキサリプラチンと経口剤カペシタビン錠の併用療法のことです。それまでカペシタビン錠単独療法(A,B法)の患者しか頭になかった私にとって、注射剤との併用療法(C法)施行中患者が外来に出ていたことは驚きでした。それまでXELOX療法施行中の患者がいても全く気付いていなかったということになるからです。
  そこで現状を把握するため職員の意識調査を行い、XELOX療法において薬局薬剤師が的確なサポートを行うためにはどうすべきか検討を始めました。病院薬剤師と接点がないと感じている薬剤師が多かったことから、まずは病院薬剤師を講師に招き化学療法の勉強会を実施しました。勉強会では、XELOXに対する知識を深めるだけでなく、実際の治療状況、病院薬剤師がどう関与し、服薬指導を実施しているのかも知ることができたので、これから薬局薬剤師としてがん患者をサポートする上で大変参考になりました。勉強会後、「カペシタビン錠服薬サポートチェックシート」を作成し、数名の担当者を決め、患者からサポートに必要な情報を聞き取ることから始めました。チェックシートの使用感やサポート時に困ったこと、初めて知ったことなど薬剤師同士で情報共有を行うため2週間ごとに検討会も行いました。

聞き取りができるようになると当然、患者の要望や不安に対し薬局薬剤師としてどのようにサポートすべきかを考えるようになりました。何度か同じ患者のサポートを繰り返していると、その患者との間に信頼関係が生まれます。こちらがあれこれ聞かなくても患者からいろいろ相談されるようになります。他の疾患の患者では当たり前のことなのに、今まで「余計なことを言わない」と積極的なサポートを行っていなかったがん患者に対して、薬剤師として申し訳ない気持ちになりました。
 

4、現在までの取り組み

 がん患者のサポートを始めて1年半が経ちます。
今では、病院薬剤師がとても身近な存在になり、相談しやすいと感じています。
  先日、医師主催の勉強会に招かれ、薬局での取り組みを話す機会をいただきました。「処方箋」からの情報だけではサポートが難しいことをご理解くださり、薬局への情報伝達の必要性を感じていただけました。
  サポートを行って感じたことは、薬局薬剤師は、患者ごとに日常生活の中で副作用を引き起こす原因や、服薬における問題点などを発見し、病院薬剤師とは違った視点でがん患者をサポートできるのではないかということです。だからこそ、薬薬連携が大切なのではないでしょうか。病院薬剤師と薬局薬剤師が情報を共有し、患者サポートにあたる。そして、医師や看護師とも情報共有することが本当のチーム医療となるのでは・・と。
 

5、臨床腫瘍薬学研究会との出会い

 臨床腫瘍薬学研究会の会員になったのもこれまで一緒に薬薬連携を進めてきた病院薬剤師の先生に誘われたのがきっかけです。
  臨床腫瘍薬学研究会学術大会2012の実行委員となり、3月の開催に向けて、メンバーと打ち合わせを行う日々は、とても充実したものでした。病院薬剤師と薬局薬剤師がそれぞれの立場から意見を出しあいディスカッションすることで生まれる発想こそ薬薬連携に必要であると感じました。病院薬剤師と薬局薬剤師が一緒に何かを行うために、お互い顔が見える関係になる事、その一歩が大切だと思います。


臨床腫瘍薬学研修会 学術大会2012  http://www.jaspo2012.org/


■著者プロフィール



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長久保 久仁子 (ながくぼ くにこ)


1994年3月 昭和薬科大学 薬学部 卒業
1994年4月 株式会社メディカルファーマシィー 入社
ミキ調剤薬局勤務(NSビル内) 
2002年1月 ミキ薬局第二女子医大通り店 店長
2006年7月 ミキ薬局若松町店 店長 第一ブロック長兼務
現在に至る
研修認定薬剤師取得
漢方薬・生薬認定薬剤師取得

 

【関連Q&A】
Q.抗がん剤、麻薬、不妊治療について、何か良い本やサイトはありませんか?
Q.病院で抗がん剤治療など受けている患者様に市販の風邪薬は飲んで良いか。と聞かれた場合……
Q.抗がん剤の副作用で食欲不振、嘔吐があり、内服困難の出ている子供です…
Q.TS1の用量について。たまにしか抗がん剤の処方せん見ないので教えて…
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Q.高齢者でも乳がんになることはあるのでしょうか?

 

【関連記事】
・がん医療の変化の前で薬剤師が求められること(学会レポート)
・薬剤師が知っておきたい!これからの肺がんチーム医療
・【がん】患者のサプリメント利用は?
・【がん】増える外来患者数
・【キャリア】がん治療と薬剤師

 

「がん治療と向き合う薬剤師」の連載記事
・臨床腫瘍薬学研究会について
・臨床腫瘍薬学研究会(薬薬連携)
・薬薬連携の重要性‐薬局薬剤師の立場から-
・薬薬連携の重要性-病院薬剤師の立場から-
・薬学生が考える“薬薬連携”とは?

*連載記事の一覧はこちら

 

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