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薬学生が考える“薬薬連携”とは?|がん治療と向き合う薬剤師

薬学生が考える“薬薬連携”とは?|がん治療と向き合う薬剤師

2012年07月16日 (月) 09時00分配信 投稿日:12/07/16 09:00 icon_view 390view

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1.はじめに

薬学教育が6年制になり、今年初めて卒業生が出ました。4年制時代と大きく変わったことは、病院と薬局ともに11週間の実務実習が必修になったことです。そしてこの長期実務実習で学んだことの一つに今回のテーマである薬薬連携がありました。
私は病院実習後に薬局実習だったのですが、薬局実習中に思ったことは「情報が少ない」ということです。病院ではカルテを見ることができ、そこには病名、検査値、病歴、処方歴…欲しい情報が全てありました。しかし薬局で与えられる情報は処方箋しかなく、必要な情報を得るには患者さんから教えていただくしか方法はありません。当然のことなのですが、この事実に私はとても驚かされました。
外来で化学療法を行う患者さんが増えてきて、薬局実習中にも抗がん剤を調剤する機会がありました。抗がん剤の処方なので薬局薬剤師はこの患者さんが"がん"だということはわかります。しかし、どこのがんなのか、どれくらい進行していて、転移はしているのか、といったことは一切わかりません。その状態で、服薬指導に入るというのが現状だと感じました。これは抗がん剤に限ったことではありません。
とにかく薬局には情報が少ない。これが実務実習を通じて感じたことで、薬薬連携に興味を持ったきっかけでもあります。そこで今回大変恐縮ではございますが、実務実習を通して感じた"薬薬連携"を薬学生の立場から述べさせていただこうと思います。
 

2. 薬局からの目線

薬局では与えられる情報が少ないのではないか、ということを初めに述べましたが、逆に患者さんのライフスタイルにより近い薬局薬剤師しか得ることができない情報もあります。その貴重な情報を、いかに病院へフィードバックできるかが最大の課題だと思います。
また、ジェネラリストとしての職能が求められる薬局薬剤師ではなかなか一つの疾患を深く勉強している余裕はないですが、薬局でも認定薬剤師の資格を取れるような制度にして、例えばがんに特化した薬局薬剤師を育成していってもよいのではないでしょうか。

しかしやはり現状では薬局に与えられる情報は少なすぎます。待っているだけではなく、病院の勉強会に参加するなどして必要な情報を自分から獲得しに薬局の外に出るという動きがあってもいいのかなと思います。
 

3. 病院からの目線

病院薬剤師は、薬局へ必要な情報は発信していかなくてはならないですし、薬局からの情報も受信しなくてはならないと思います。病態に対しより専門的な知識がもとめられる病院薬剤師が、患者さんの状態を薬局薬剤師から得た情報をもとに把握し、アセスメントすることができれば、より的確な薬物治療を提供できると思います。
そしてこの情報のやりとりのきっかけを作るのが、病院薬剤師の課題だと思います。病院薬剤師も薬剤部の外に出て薬局薬剤師に働きかけることで、薬薬連携をスムーズに始められるかなと個人的に感じています。
 

4. 情報共有ツール

実務実習を行い、病院と薬局では薬剤師の職能や求められているものが違うということを感じました。そこで、お互いに知識や情報を補い合えば薬剤師としてさらにレベルアップできるのではないでしょうか。そのためには、お互いに顔を合わせての勉強会や、病院から薬局への一方通行ではなく、薬局から病院へもフィードバックできる情報共有ツールが必要になってきます。
お薬手帳では情報量が少なすぎるため、新たなツールを作成しなくてはなりません。それを病院薬剤師と薬局薬剤師が共同で作成すれば、お互いに必要な情報を得ることができると思います。
病院と薬局で役割を分担してそれぞれが職能を発揮し、連携することができれば、薬剤師全体として患者さんによりよい医療が提供できると思います。
 

5. 6年制薬学生として

実務実習を通じ病院と薬局の両方を経験し薬薬連携というものを学び、意識して実習を行ってみると、現状ではまだ多くの課題があり、システムも未完成だなというのが正直な感想です。だからこそ、これからさらなる連携の体制作りが求められると感じています。そして実務実習を行い、薬薬連携の必要性を感じている薬学生はきっと私だけではありません。そんな薬学生がこれから病院や薬局に出ていけば今以上に薬薬連携は進んでいくと思います。これまで先生方に作っていただいた薬薬連携の基盤を、私たちがさらに進化させていかなくてはと思っています。
 

6. さいごに

実務実習が長期になったとはいえ、病院、薬局ともに11週間しか体験できていないので完璧に現状の把握ができたわけではありません。また、薬薬連携の形には正解がなく、病院の規模や薬局の形態などでその形は変わるのだと思います。しかし、将来的に薬薬連携を行うことは患者さんのQOL向上のために必須だと思いますし、そのためには患者さんのプライバシーや人手不足など多くの課題があるということは感じました。そしてこれからもまた新たな課題が出てくるでしょう。それを解決していくのが我々6年制教育を受けた薬剤師の役目だと思っています。
私は将来現場にでて、薬剤師として働くことを希望しています。情報を発信できる薬剤師になり、薬薬連携の推進に少しでも寄与できるよう頑張ります。

■著者プロフィール



みうら

三浦 拓人 (みうら たくと)

2007年3月 國學院大學久我山高等学校 卒業
2007年4月 明治薬科大学 入学
現在 明治薬科大学6年

 

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【関連記事】
・がん医療の変化の前で薬剤師が求められること(学会レポート)
・薬剤師が知っておきたい!これからの肺がんチーム医療
・【がん】患者のサプリメント利用は?
・【がん】増える外来患者数
・【キャリア】がん治療と薬剤師

 

「がん治療と向き合う薬剤師」の連載記事
・臨床腫瘍薬学研究会について
・臨床腫瘍薬学研究会(薬局薬剤師としての活動)
・臨床腫瘍薬学研究会(薬薬連携)
・薬薬連携の重要性-薬局薬剤師の立場から-
・薬薬連携の重要性-病院薬剤師の立場から-

*連載記事の一覧はこちら

 

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