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1_医薬品業界6つのカテゴリ|薬剤師を取り巻く環境

1_医薬品業界6つのカテゴリ|薬剤師を取り巻く環境

2012年03月28日 (水) 09時01分配信 投稿日:12/03/28 09:01 icon_view 626view

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■医薬品は、「モノ」と「情報」があって初めて価値を持つ

最近の薬剤師を取り巻く環境の変化は、大学卒業時に学んだ頃に比べ、過去の延長線上で考えるのが困難になったと言われています。みなさんも、働きながらなんとなく環境の変化を感じているのではないでしょうか。
私の薬科大学卒業は1994年(平成6年)ですので、もうだいぶ歳月が経ちましたが、就職活動時に製薬企業のMR(医薬情報担当者)を選び、製薬メーカーの視点で医薬品業界を見てきました。製品としての医薬品を軸にしますと、モノの流れを川の流れに例えて"川上"と言われる視点です。約10年間勤務する中で、MRから医薬品市場を分析したりし、販売促進プロモーションや政策管理に従事しました。その後、医薬品業界の変化を感じ、"川下"である保険薬局に転職することになります。モノとしての川上と川下を経験してみると、面白いことがわかりました。情報としての医薬品を軸にすると、医薬品の使用者である患者と日々接している薬剤師は、情報の上流に位置しているのです。医薬品は、化学物質で工業製品として「モノ」の側面と、効能・用法用量や副作用などの「情報」としての側面を併せ持って、初めて医薬品としての価値を持ちます。特に、近年ではインターネットの普及もあり、患者でも医薬品の情報を取りやすくなった環境もありますので、医薬品の「情報」としての比重が高まったと考えられます。また、一部の高薬価な医薬品を除いては、同種同効薬やジェネリック医薬品の拡大に伴い、「モノ」としての比重が相対的に低くなっているという見方もできるかもしれません。

このように考えてみますと、医薬品を扱う薬剤師には、モノを扱う「調剤」としての業務よりも、情報を扱う「服薬指導」や「薬歴管理」に重点が置かれるようになった背景が理解いただけると思います。

 

■あいまいになる境界線

以前は、医薬品業界といえば、製薬企業、医薬品卸、保険薬局、ドラッグストアなどカテゴリー分けが容易でした。
医薬品業界に限った話ではありませんが、グローバル化やIT化によって「ヒト、モノ、カネ、情報」が国境を越える時代となりました。薬局や病院に勤務していると、あまりグローバル化の波は感じることは少ないかもしれませんが、製薬企業にとっては開発治験となると国際共同治験が一般的になりつつありますし、内資系企業であっても開発本部は米国に置き、外資系企業では日本をアジアの一部とみなす組織編成もされています。過去には、製薬企業は先発系やジェネリック系、兼業系というカテゴリー分けされていましたが、近年では先発系であってもジェネリックも販売していますし、ジェネリック企業であっても新薬開発している企業もあります。
視点を変えますと、医薬品卸であっても保険薬局を経営していますし、保険薬局市場には商社や小売系の参入、調剤併設型のドラッグストアが一般的になるなど、医薬品業界のプレーヤーの境界線があいまいになっている現状もあります。
医薬品を「モノ」としての側面のみで見てしまうと、過去の延長線上で考え当てはめることの難しさに直面します。このため、「情報」としての側面を合わせて、医薬品業界のカテゴリーを再定義する必要があるのです。


■医薬品業界を再定義する

 私たちにとって身近な製品をあげるなら、家電業界なら家電製品、自動車業界なら自動車という製品を軸にして、その製品をどう扱うのかで、作る、売る、運ぶなど立場の違うプレーヤーが存在します。医薬品業界にあてはめてみますと、次の6つのカテゴリーがあり、それぞれにプレーヤーが存在しています。

カテゴリー 定義 プレーヤー
「学ぶ(教える)」 知識集約型の医薬品情報の原点 薬科大学
「創る」 患者に必要とされる新薬の研究開発 製薬企業、CRO、バイオベンチャー
「売る」 有効で安全な医薬品の認知と販売 製薬企業、ドラッグストア
「運ぶ」 医薬品の安定供給 医薬品卸
「選ぶ」 必要とされる最適な医薬品の選択 保険薬局、病院
「払う」 医薬品への対価の支払い 保険者、患者

きっと、就職活動時に医薬品業界を研究された際、個々のプレーヤー単位で検討されたのではないでしょうか。現在の環境変化によって、その境界線があいまいになってきたことが、なんとなく違和感を覚える原因の一つだと感じています。
このように、医薬品業界を6つのカテゴリーに定義して考えてみますと、医薬品を扱う薬剤師は、いまさら当たり前と言われてしまうかもしれませんが、全てのカテゴリーに深く関わりあっているため、中心的役割を担っています。


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著者:長尾剛司



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