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5.MRとのかかわり【1】どんなことをしているの?|薬剤師を取り巻く環境

5.MRとのかかわり【1】どんなことをしているの?|薬剤師を取り巻く環境

2012年06月13日 (水) 09時00分配信 投稿日:12/06/13 09:00 icon_view 443view

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■過去から現在

MRの活動を薬剤師側からみると、薬局では新製品のパンフレットを持ってきたり、添付文書改訂の連絡をしたり、ボールペンなどの文房具などサービス品を持ってくる人と見られているかもしれません。病院では薬局での活動に加えて、医局訪問時に薬剤部に立ち寄り記名して名札を取りにきたり、医師の処方状況を確認したりといったことが目に見える活動なのではないでしょうか。

MRは、1997年から資格制が導入されましたが、1993年以前は「プロパー」と呼ばれた時代が長かったのです。プロパーとは、プロパガンダ(Propaganda)が語源といわれ、プロパガンダとは特定の意識・行動へ誘導する宣伝行為のことを指し、言いかえれば自社製品の処方・普及がメインでした。

みなさんも話に聞いたことがあるかもしれませんが、昭和の時代は過剰なサービス競争が行われ、新規採用や処方への誘引などに、現在は禁止されている現金のキャッシュバックや製剤見本の添付行為なども存在したことも事実です。

華美過大な接待行為や贈答品も、医師の処方へ影響を与える利益相反(Conflict of Interest:COI)も無視できないことから、製薬企業が加盟している日本製薬工業協会(製薬協)で自主基準を設けました。この時代の移り変わりは、行き過ぎた営業活動を見直し、プロパーからMRへの資格制導入へ至った経緯でもあります。


■期待される二つの役割

MR には、期待される二つの役割があります。一つには「薬物治療のパートナー」として、もう一つは「利益創出企業の一員」としての役割です。

特に近年発売の医薬品は、低分子量で比較的広範囲な適応症を持つ医薬品よりも、抗体医薬など高分子量で適応症も限定され、使用できる患者の選定も容易でない医薬品が増えてきています。医師にとっても医薬品を使用できる患者が限定されることから、より良い薬物治療のための情報を必要としている背景もあります。そこで、製薬企業のMRが薬物治療のパートナーとして、社会貢献に近い立場に位置づけられてきました。

一方で、製薬企業の多くは株式会社でさらなる新薬開発や、社員や株主などステークホルダーへ還元を行うためには利益創出しなければなりません。その一翼を担っているのが営業パーソンであるMRです。一定期間ごとに営業目標が設定され、目標の達成を果たすことが社員としての評価につながります。ただ、一般的な製品の営業パーソンと違う点は、「モノ(商品)」を持って営業活動をしない点です。医薬品の「情報」を持って営業活動を行うので、金融商品を扱う証券営業、保険商品を扱う生命保険営業に近いイメージかもしれません。


社会貢献と利益創出。一見、相反するような二つの役割を与えられたMRには、行き過ぎた営業活動によって処方をゆがめ、使用方法によっては副作用の発生、薬害などを引き起こすことのないよう、生命関連商品である医薬品を扱うという高い倫理観が要求されます。


■製薬企業の顧客は医師や薬剤師、医薬品の消費者は患者

みなさんに身近な家電製品などの商品と医薬品とでは、顧客と消費者の関係が違います。

一般的な商品では、その商品の顧客と消費者は同じであることから、テレビなどメディアでCMを放映することによって、その商品を顧客に気づかせ、認知してもらい、欲しいと思わせ、購買行動を起こさせれば、その商品を使ってもらえます。

しかし、医薬品の場合は消費者である患者が医薬品を必要とする症状に気づいても、診断・治療・薬剤選択を行う医師がキーパーソンになります。

そのため、OTC以外の医療用医薬品は医師が顧客となるため、MRは医師に対してプロモーション活動を行っています。最近では、ジェネリック医薬品の普及に伴い、薬剤師に対してもプロモーション活動が活発になってきました。
 

■これからは薬剤師へ熱い視線が注がれる

ここ数年の環境変化で、医薬品の選択が医師だけではなくなってきました。これは、ジェネリック医薬品の普及に伴い、特許満了を迎えた先発品は長期収載医薬品としてジェネリック医薬品との競争になっているからです。言いかえると、医師が長期収載品を処方しても、薬局でジェネリック医薬品を選択されることから、MRにとっても売上実績につながらないというジレンマを抱えるようになったのです。

この環境変化は大きなもので、先発メーカーや後発メーカーとの境界がなくなり、両者を扱うメーカーも増えてきました。第一三共エスファ、ファイザーなどが扱う「エスタブリッシュ医薬品」と呼ばれるカテゴリーの出現です。

この「エスタブリッシュ医薬品」とは、簡単に言えば「長期収載品+ジェネリック」です。日本独自のカテゴリーであった長期収載医薬品でも、ジェネリックでも多品種扱うことによって、併用薬のある患者の薬物治療を一社でまかなう戦略が可能となります。これら薬剤の調剤権は薬局の薬剤師にあるために、薬剤師へのプロモーション活動が活発化しているのです。

次の項では、薬物治療のパートナーであるMRたちと、より良い関係を築くための上手い付き合い方を紹介します。

著者:長尾剛司


*この記事は2018年2月14日に更新しました。
*本記事の掲載内容、データ、リンク先、著者の所属先や肩書などは掲載当時のものです。

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