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6.MRとのかかわり【2】お互いに補完しあえる関係へ|薬剤師を取り巻く環境

6.MRとのかかわり【2】お互いに補完しあえる関係へ|薬剤師を取り巻く環境

2012年06月25日 (月) 09時00分配信 投稿日:12/06/25 09:00 icon_view 453view

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■せっかくならWin&Winの関係を築きたい

日ごろ訪問される製薬企業MRとは、どのようにお付き合いしているでしょうか。

今までのMR活動と薬剤師の関係はそれほど活発なものではなく、包装変更や添付文書の改訂があったからとか、製品の説明会をお願いしたからなど、どちらかというと消極的で受身なスタイルだったと思います。

やはり、MRの働く喜びは新製品の採用や処方増量で実績が上がることが主なものですから、処方権を持つ医師への訪問は欠かさないものです。調剤権を持つとはいえ薬剤師へは、製薬企業としてもどのように情報提供して、薬物治療のパートナーとして関係を築いたらいいのか模索しているところです。

そこで今回は、製薬企業のプロモーション活動の変化と薬剤師の持つ調剤権に焦点をあて、薬剤師側にとっても、MR側にとっても、お互いに補完しあえる関係であることを紹介します。せっかくなら、お互いに上手く利用して日ごろの仕事に活かして欲しいと思います。

 

■これからMRの薬局訪問が増えます

今、製薬企業にとって大きな転換期を迎えています。まず、2010年問題がありました。

新薬開発パイプラインの枯渇やブロックバスター製品の特許満了を迎えることで、製薬企業にとっては大きな谷間にあったのは、聞いたことがあるかと思います。

もう一つ、2012年4月より製薬企業が加盟している日本製薬工業協会(製薬協)では、医療施設への研究開発費など金銭的支援を公開する「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」の施行と、公正取引協議会が策定した「接待などの自主規制」があり、製薬企業のプロモーション活動に大きな変更がありました。

わかりやすく説明しますと、昔までは、華美過大な接待や贈答品がありましたが、この2012年4月以降の会食は一人5千円まで、説明会でのお弁当は3千円までなど制限がかかったばかりでなく、医療施設への研究奨学寄附金や講師謝金も公開しなければならなくなったのです。

欧米ではすでに始まっていましたが、金銭を誰にどのぐらい提供したかをオープンにしなければならないので、処方の誘引につながると疑われる営業活動ができなくなりました。そもそも金銭や贈答品は、処方する医師へ何らかの影響を及ぼし、必ずしもエビデンスに基づかない処方をする可能性が高まる利益相反(Conflict of Interest:COI)が無視できないからです。

このような環境変化に加え、一般名処方が開始され、長期収載品からジェネリックを選ぶことが、薬剤師の役割になってきました。製薬企業は、今まで新規患者への処方に重点を置き、医師へのプロモーションに高い比重をかけていました。しかし、処方せんに自社製品が記載されていても、患者に調剤されなければ実績につながりませんし、数あるジェネリックの中から選ばれなければ実績につながりません。

製薬企業として薬剤師へ付加価値の高い薬剤であることを紹介し、薬剤を選んでもらうプロモーションの必要性が出てきたのです。
 

■MRと薬剤師、それぞれの強み弱み

私たち薬剤師には、日々患者の服薬指導しながらも弱みもあります。

処方せんには診断名も記載されていませんし、処方医がその薬剤を選んだ処方意図も記載されていません。そんな中、服薬指導や薬歴管理をしているわけです。一般的には、処方医と密なコミュニケーションを取れていないのが実態だと思います。一方で、患者とは服薬指導で深く関わり、適応外の処方であっても薬歴管理の中でその患者の症状の変化を把握しています。

薬剤師の強みは処方実態を知り、患者の変化を把握している反面、弱みは医師の処方意図を知らないことです。

MR側には、医薬品の最終消費者は患者であるにも関わらず、患者の使用実態を知らないものです。

発売前の治験でフェーズごとに患者での投与状況を把握していますが、その薬剤の単独使用だったり、腎・肝機能低下患者への使用は制限されていたりと、市販後の使用実態と大きく違うのが実情です。

実際の処方では、併用薬があるのが一般的でしょうし、腎・肝機能低下患者であっても注意しながら処方するのが実態だと思います。一方で、医療施設を訪問し医師と深く関わりあっているMRは、どのような症例で自社の薬剤が処方され、いつから投与開始で、どのような投与スケジュールなのかも把握しています。

MRの強みは自社製品にかかわる医師の処方意図を把握している反面、弱みは処方された患者の自社製品以外の併用薬などの処方実態を知らないことです。

このように、MRにも強み弱み、薬剤師にも強み弱みがあります。この強み弱みを相互に補完し合うことで、より良い関係を築くことができます。
 

■MRをうまく利用しよう!

では、具体的にはどんなことをMRの訪問時に要望し、日頃の服薬指導や薬歴管理に役立てればいいかをご紹介しましょう。

製薬企業にとっては、本来薬剤の持つ効果を発揮させ処方された患者のQOLを高めるためには、自己判断による中断を防ぐアドヒアランスを高めるプロモーションも必要になってきました。

薬局独自に資材を作成し、服薬指導を行っているなら必要ないかも知れませんが、製薬企業が持つ患者向け資材などを上手く用いながら、服薬指導を行うことで患者への訴求力が高まりますし、アドヒアランス向上によって薬剤本来の効果が発揮され、患者の治療満足度も高まることでしょう。

これらのことは、製薬企業にとっては治療脱落例の抑制にもつながり、適正使用促進につながるのです。

このように薬剤師は、医薬品の最終消費者である患者に一番近い存在であると同時に、患者が服用するまでに接する最後の医療系職種であることが重要視されるようになったのです。

今までの経験もふまえまとめますと、MRはこんな情報を持っています。
・処方元医師の処方意図
・患者のアドヒアランスを高められ服薬指導に使える資材
・患者の疾患管理を支援するための勉強会
・地域医療連携に関する医療施設の情報
・疾患の早期発見、早期治療のための患者へ受診勧奨を行うためのツール


以上にあげた項目は、製薬企業によって形式は様々ですが、必要な情報を持っていますので依頼してみると、きっと喜んで提供してくれます。

薬剤師とMR、お互いにWin&Winの関係につなげてほしいと思います。

 

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著者:長尾剛司


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