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11.求められていること【2】継続は力なり|薬剤師の働き方

11.求められていること【2】継続は力なり|薬剤師の働き方

2012年11月21日 (水) 09時00分配信 投稿日:12/11/21 09:00 icon_view 307view

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ダイエットって成功事例は多く見かけるのですが、やってみると案外続かないものです。突きつめて考えると、摂取するカロリーを減らすか、消費するカロリーを増やすかの単純なことなのにもかかわらず、続かない・・・

頭で理解できていても、行動が伴わないことってよくあります。タバコを止めるぞ、お酒はもう飲むのをやめとこう、薬飲み続けなきゃ・・・特に自覚症状のない疾患での服薬の場合、飲み忘れや、自己判断による中断も多いのが実態だと思われます。

こんな患者の服薬指導にあたるとき、「コンプライアンスが良くない患者」とかで一言ですませていませんでしょうか。

医薬品の最終消費者でもある患者は、その薬剤を飲んだり、使ったりする最後の決断は自分自身で行います。処方されているにもかかわらず、きっちり服用していなかったために、薬剤の効果が発揮できていなかったというケースも存在するのです。

指示どおりの服薬は、薬剤本来の効果を発揮させ患者のQOLが高まるばかりか、再発や重症化の予防につながり総医療費の低減にも影響を及ぼすことがわかっています。

そのために以前は、薬剤師の役割として、薬の服用を遵守させる意味の「コンプライアンス」の向上がありましたが、現在の患者中心の医療においては、患者が自発的に服用を行う「アドヒアランス」の向上に役割が変化しています。

あらためて、アドヒアランスはどういう意味なのか整理してみましょう。

~日本薬学会ホームページ薬学用語解説より引用
アドヒアランス【Adherence】とは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味する。

従来、医療者は「医療者の指示に患者がどの程度従うか」というコンプライアンス概念のもと患者を評価してきた。したがってその評価は医療者側に偏り、医薬品の服用を規則正しく守らない「ノンコンプライアンス」の問題は患者側にあると強調されていた。しかし実際の医療現場では、コンプライアンス概念で乗り越えられない治療成功への壁が存在した。そこで、患者自身の治療への積極的な参加(執着心:adherence)が治療成功の鍵であるとの考え、つまり「患者は治療に従順であるべき」という患者像から脱するアドヒアランス概念が生まれた。このアドヒアランスを規定するものは治療内容、患者側因子、医療者側因子、患者・医療者の相互関係という点でコンプライアンスとは大きく異なる。例えば服薬アドヒアランスを良好に維持するためには、その治療法は患者にとって実行可能か、服薬を妨げる因子があるとすればそれは何か、それを解決するためには何が必要かなどを医療者が患者とともに考え、相談の上決定していく必要がある。


このように患者の継続した服薬は、薬剤師の役割として求められているのです。


■服薬指導とコミュニケーション

患者の服薬に必要な情報を伝えるのが、薬剤師の服薬指導の重要性です。また、法律上においても情報提供は薬剤師の義務として位置づけられています。

【薬剤師法第25条の2(情報の提供)】
薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。

服薬指導を行う項目は多岐にわたりますが、全ての情報を一度に伝えることではありません。疾患の特性や患者の性格、生活環境など異なる患者一人ひとりに合った服薬指導が重要です。

患者のニーズに合った服薬指導を行うためには、観察・傾聴・確認・共感などのカウンセリングやコミュニケーション能力が必要とされます。服薬指導の時間は、薬剤師が医療を行う時間であると同時に、患者が薬剤師を評価する時間でもあるのです。

充実した服薬指導のためには、事前の情報収集・分析が必要になってきます。複数の病院・診療科の受診歴・OTCを含め、患者のあらゆる情報が一元管理された薬歴を欠かすことはできません。


■薬歴管理は、薬の専門家としての対価

薬歴は、薬剤師の行った保険調剤の報酬の算定の根拠となります。薬剤服用歴管理指導料として、服薬指導や患者情報収集など、薬剤師の職能を発揮した際の正当な評価でもあるのです。極端な言い方をすれば、薬歴に記録のないものは、その医療行為がなかったものとみなされ、薬剤服用歴管理指導料を算定することができません。

活用できる薬歴のためには、問題点を見つけ出す為の情報収集があり、医療に基づく情報が記載され、患者の利益となる指導がなされていることが重要になります。

薬歴管理において、このようなことが可能になったのも、電子薬歴のおかげと言っても過言ではありません。電子薬歴の導入によって、手書きの紙薬歴では困難だった薬剤師業務の効率化や、薬歴の時系列の閲覧性が容易になりました。また、薬局へ求められる役割が、地域医療の一員としての疾病管理(Disease Management)の一役を期待されていることもあります。
 

■海外の事例から日本の未来を考える

日本においては、錠剤、散剤、液剤などの計数調剤(いわゆるピッキング)は、薬剤師が行わなければならない業務とされています。(【薬剤師法第19条】薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。)

しかし米国では、ファーマシーテクニシャン(Pharmacy Technician)が存在し、薬剤師の監督の下(カリフォルニア州では薬剤師1人当たり2名まで)で計数調剤や在庫管理などを行います。

ファーマシーテクニシャンとは、日本では一般的に「調剤助手」と呼ばれ、現在の日本の薬剤師法には調剤の補助業務についての規定はないため、解釈の違いによって賛否両論あるようです。米国の薬剤師は、比較的ルーチンな業務はファーマシーテクニシャンに任せ、鑑査と服薬指導・薬歴管理、薬剤師本来の業務に集中しています。

photoそもそも、米国における計数調剤とは【写真】のような詰め替えボトルに、処方日数に関係なく30錠、60錠、90錠など、一定の数量を詰める作業が主なのです。ボトルには、薬剤に関する情報(用法用量、注意点、副作用など)を書かれたシールが貼られています。副作用などネガティブな情報こそ、詳細に書かれています。

このような投薬は、患者側にとっても、薬剤師側にとっても、安全性も有用性も高いようです。それは、患者も服用のたびに薬を確認しますし、PTPシートごと服用するなど誤飲防止につながりますし、薬剤師側も数量ミスなどの調剤過誤防止につながるとのことです。

すでに自動で調剤してくれる機械もありますし、日本においても薬剤師が行う業務は、調剤業務の比重は下がっていくものと思います。

これからの薬剤師には、患者とコミュニケーションしアドヒアランスを高め、最適な薬剤選択によって医療経済的な負担軽減や、しっかりとした薬歴管理で疾病管理も行う薬剤師が必要とされるでしょう。
 

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著者:長尾剛司

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