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12.求められていること【3】情報の宝庫|薬剤師の働き方

12.求められていること【3】情報の宝庫|薬剤師の働き方

2012年12月12日 (水) 09時00分配信 投稿日:12/12/12 09:00 icon_view 256view

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■商品モニターとか興味ありますか?

家電製品、洋服、お菓子などなど・・・世の中には、ここには書ききれないぐらいの商品があります。その商品の作り手側は、商品を購入する使い手側の意見を知りたくて仕方がありません。だから、サンプルとして提供したり、無料で貸し出したりするなどして、モニターを募集して使用者のニーズなどを探ることがあります。

商品の作り手側は、新製品発売前の開発やマーケティングなどを行い、ごく少数のユーザーからの意見で商品を市場に出すことが多いのです。そこでは、限られた使用方法だったり、限られた嗜好のユーザーの集まりだったりしますので、市場に出してみたら意外に売れなかったとか、予想をはるかに上回る売れ行きで生産を一時中断することもあります。

これは、いわば需要と供給の計画が外れたということで、実は売れても売れなくても、作り手側にとっては好ましい結果ではありません。中には話題性を狙って、計画通りに欠乏感を演出し、顧客に対して強く欲しいと思わせることもありますが、これは狙い通りと言えます。
 

■医薬品の発売前と発売後

「創薬」は、医薬品を開発するための基礎研究から医薬品として製造・販売されるまでをいい、「育薬」は、医薬品が医療機関で使われるようになってから、そこで得られた情報をもとにより安全な使い方の検討や、より使いやすい改善が行われることをいいます。

使用している患者にとっては、一生使い続けなければならないものも存在するため、長い年月をかけ使い続けていると他の医薬品と併用したり、量を変えたりして使われることもあります。その結果、治験段階では発見できなかった副作用が出現することもありますし、使い方などの改良すべき点がわかってきます。

このように、医薬品は発売後、さまざまな病態の患者に使用されます。医薬品の適正使用のためには、治験時の情報だけでは必ずしも十分とはいえません。

医薬品の起こりうる副作用などを予知するための情報としては、添付文書の副作用情報のみでは不十分であり、副作用の発現を最小限に抑え、有効性を最大限に発揮させる使い方に関する情報が大変重要になっています。特に、治験時に除外されることの多い、小児、高齢者、妊産婦、肝機能や腎機能障害を持つ患者の使用実態や、長期使用における延命効果、QOLの改善などの情報を正しく収集することが大変重要です。


■医薬品安全対策

医薬品の安全対策は、サリドマイド、ソリブジン、非加熱血液製剤などの薬害問題もあって発展してきた経緯があります。現在の安全対策は、「予防・予測型」の観点から医療現場における安全性情報の一層の有効活用が行われ、ますます医療現場の情報収集が重要になってきています。 その中心的なものが、PMS(市販後調査:Post Marketing Surveillance)です。

また近年の緊急安全性情報を見ますと、既知の(すでに添付文書に書かれている)副作用や相互作用によるものが多いのが特徴です。緊急安全性情報とは、緊急に安全対策上の措置をとる必要がある場合に製薬企業より発出され、医療施設へ注意喚起が行われるものです。

医薬品は、医療提供者側の使い方や、医療提供者から患者への伝え方などによって、医薬品の良い作用も望まない作用も強く発現したり、弱く発現したりするものです。患者にとって、QOLを改善し、安全に使われることは、医薬品の製品寿命を延ばすことにつながります。まさに、育薬の観点からも大変重要なことです。
 

■医薬品の使用実態

医薬品は、最終消費者である患者に渡った後、どこに保管され、何をいつ服用し、誰が使用するかの最終判断は、薬袋に書かれているといっても自身が決めることですから、薬剤師の服薬指導が重要になってきます。

もちろん、指導どおりに服用されているはずですが、中には薬剤服用の意味や目的を理解していなかったり、誤った情報を入手したりして、服用の忘れや自己判断で中止するなどアドヒアランスの低下を招くことになり、本来の薬剤の効果が発揮されないこともあるのです。

そのためにも、薬剤師が患者との対話からかかえる問題点(患者ニーズ)が何であるかの情報を収集し判断することが重要です。

医薬品の使用実態の情報を収集し、収集した情報を多角的な視点で分析をし、多くの製薬企業で共有することが必要になります。みなさんもご存知だと思われますが、医薬品医療機器総合機構では、医薬品医療機器情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)として、医薬品の安全性に関する情報を公開しています。

すべての医療提供者が医薬品の情報を製薬企業へフィードバックし、適正使用を促進させることが、副作用を未然に防ぎ、患者にとって幸福をもたらすのです。患者の幸福は、医療提供者にとっても、製薬企業にとっても幸福につながり、社会貢献できることなのです。
 

■薬局は情報の宝庫

薬局は、患者の医薬品使用実態情報の宝庫です。薬剤師は、患者が感じている飲みづらさや、使いづらさなどの情報を入手しては、その医薬品の服薬アドヒアランスを高め薬物治療効果を最大限発揮させようとしています。

これらの情報は、製薬企業にとっては製品改良につながる情報でもあり、アドヒアランスを高めるための他の薬局でも必要とされる情報です。アドヒアランスを高めるということは、患者にとってはQOLを向上させることですし、製薬企業にとっても医薬品の適正使用の支援になり、薬局にとっても「選ばれる薬局」になるわけです。

製薬企業は、アンメット・メディカル・ニーズ(満たされない医療へのニーズ)を満たすべく新薬の研究・開発を行っています。一方で、患者さんのアドヒアランスが良くないということは、アンメット・メディシン・ニーズ(満たされない医薬品へのニーズ)が潜在するのです。

薬剤師は、服薬指導の中で医薬品を飲み(使い)やすくするために工夫をし、アドヒアランス向上のために実践しています。これらの情報を製薬企業へ発信することで、製薬企業は製品改良につなげ、飲み(使い)やすい工夫の事例を共有し、全国に広めることが可能になります。
 

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著者:長尾剛司

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