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調剤の教育とドラッグストアの教育は何が違う?|次世代のドラッグストア

調剤の教育とドラッグストアの教育は何が違う?|次世代のドラッグストア

2012年06月04日 (月) 09時00分配信 投稿日:12/06/04 09:00 icon_view 883view

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こんにちは、第3回目は薬剤師教育についてです。
タイトルの通り「調剤の教育とドラッグストアの教育は何が違う?」というテーマについて考えたいと思います。

ただ、結論から申し上げますと
『本当に学ばなければならないことは調剤もドラッグストアも変わらない』
ということです。

なぜなら、弊社においては調剤単独・調剤併設ドラッグストア・ドラッグストア単独という3つのカタチがありますが、薬剤師は調剤単独店舗と調剤併設ドラッグストア店舗を流動的に経験していくため、教育方法もどちらのステージにおいても顧客へのアウトプットを意識したもの、また周囲のスタッフ(非薬剤師)へのOJTを実施できるレベルの人材が求められているからです。
またある程度の企業規模になれば、薬局長以上の役職に就くチャンスも出てきますから、調剤・ドラッグストアといった業態に関らず、マネジメント能力も必要となってきます。

弊社の1年目薬剤師教育を例に挙げてみると、薬剤師会の制定した「薬剤師に求められるプロフェッショナルスタンダード」と類似性を持たせ、
1.ヒューマニズム(倫理)
2.医薬品の適正使用(安全性、経済性)
3.地域住民の健康増進(薬物乱用防止、セルフメディケーション)
4.リスクマネジメント
5.法律制度の遵守
6.日常業務
という6つの項目をバランスよく組み合わせて進めていくのですが、その中で様々な力を身に付け、発揮することを重視します。

薬剤師にありがちなのですが、例え個人レベルでは非常に知識レベルが高く思考も優れていたとしても、組織において周りへの還元がなく、他者を見下しているような方を誰が必要としてくれるでしょうか?

図1


特に弊社は「より多くの人々の、より健康で、より豊かな生活の実現」を理念としていますから、自分ひとりが持っているスキルであったり特別な活動は、組織全体としてシェアできたり、当たり前に実施できるようになってこそ価値があるものと考えます。
既存の薬剤師が皆「依存開発型(与えられて学習)」から「自己開発型(自ら積極的に学習)」、さらに「他者還元型(他者に知識をシェア)」となるには大変苦労するものと思われますが、この4月はじめての6年制薬剤師が社会に出てくることが起爆剤となることを願っています。

はじめに調剤を経験するか、ドラッグストアを経験するか、はたまた病院を経験するかによって、それぞれのスキルを修得する順番に差はあるかもしれませんが、ドラッグストア店頭での接客において調剤での経験は想像以上に大きな武器となります。
何故なら、店頭に来られるお客様が訴える症状が必ずしも単一の原因から起きているとは限らないからです。
基礎疾患の悪化、服用している薬剤による副作用や相互作用のほか、プライマリケアの視点からその方が訴える症状から推測できる病気は"直ぐに受診してもらうべきか"もしくは"数日間はOTC医薬品で様子を見てもらってよいのか"という推測が出来るようになるにはドラッグストアだけの経験では困難であるとは思いませんが、調剤それも大学病院などの処方を受ける大型調剤と、個々の医師の処方意図の見えやすい小規模調剤のどちらとも経験してくることが近道であると考えています。

また平成22年4月、厚生労働省医政局長通知により、チーム医療の推進において薬剤師に更なる職能発揮が求められるようになりました。それを受けて病院勤務の薬剤師のみならず、保険薬局勤務の薬剤師も在宅医療の現場などにおいてバイタルサイン測定に対して積極的に取り組むようになってきています。


これは何も保険調剤に関わることだけではありません。
ここでドラッグストア店頭にてバイタルサインが取得可能になった際の接客やアフターフォローを想像してみて下さい。
今現在、下図のようにかなり前からOTCへのスイッチが提案されているにも関わらず、それが実現にいたっていないのは何故でしょうか?
 

図2

(※厚生労働省資料より)


各医学会等よりコメントが出されており、高齢者に対する投与の危険性やそれ以前に病状の判断が困難であるなどありますが、実はそれを一部解決する答えも医学会等のコメントにありました。
それは日本動脈硬化学会による「こうした薬物をスイッチ化する方策の1つは、自己血糖測定と同様に患者自身による自己測定システムを拡充し、例えば薬局などに血清脂質、肝機能、腎機能等が迅速に測定可能なシステムを配備し、簡便に血清脂質が定期的に測定でき自己管理できるシステムと法整備を構築することです。・・・・」

まさにその通りです。
これは薬剤師が負うべき責任が大きく変わることを認識するとともに、薬剤師がより身近な医療の専門家としてツールを最大限活用しプライマリケアを実践することに直結しています。
またその中で『地域住民を適切な医療へリレーションする立場へと変化していくこと』について考え、医師ほか医療従事者や介護職と良好なコミュニケーションを築いていくことが重要だと考えています。

更に、処方箋のリフィル化についても積極的に検討するよう提言がなされているところですが、今後そのような時代へとシフトしていくと、患者の状態変化を具体的に把握することや、更なる薬効・副作用のモニタリングなど、ファーマシューティカルケアやアフターライフケアにおいても薬局の果たすべき役割が大きく変わっていきます。

このように、薬学6年制となった今、これらを駆使してプライマリケアや薬物治療における薬効・副作用モニタリングを実践できる薬剤師の活躍を多く見ることができると期待したい。そしてこれを機に、薬局・ドラッグストアの薬剤師がより身近な健康相談ができる存在となり、また薬剤師が地域医療の窓口としての機能を果たし、地域住民の医療へのアクセスが適切に行われることを自ら実証していかなければならないのです。


著者:赤川信一郎

 

【関連Q&A】
Q.ドラッグストアの薬剤師です。調剤の勉強をしようと決意しましたが、何から取り組んでいけば…
Q.2年目の病院薬剤師です。皆さんの薬剤師としての今年の目標を教えてください…
Q.薬剤師の仕事は人工知能に取って代わられるか?
Q.将来自分で調剤薬局を開局したいけど…。何をすればいいのでしょうか?
Q.昔と今の大学のあり方。どうしてこうなったんでしょうね?

 

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「次世代のドラッグストア」の連載記事
・ドラッグストア薬剤師に求められているもの(1)

・ドラッグストア薬剤師に求められているもの(2) ~プライマリケア~
・ドラッグストアにおける新たな取り組みとその実践
・薬局・ドラッグストアにおける多職種連携

*連載記事の一覧はこちら

 

 

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