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ドラッグストア薬剤師に求められているもの(1)|次世代のドラッグストア

ドラッグストア薬剤師に求められているもの(1)|次世代のドラッグストア

2012年06月14日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/06/14 09:00 icon_view 603view

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前回も少し触れましたが、平成22年4月、厚生労働省医政局長通知により、チーム医療の推進において薬剤師に更なる職能発揮が求められるようになったことで病院勤務の薬剤師のみならず、保険薬局勤務の薬剤師も在宅医療の現場などにおいてバイタルサイン測定に対して積極的に取り組むようになってきています。
この医政局長通知の中では、更に処方箋のリフィル化についても積極的に検討するよう提言がなされていますが、今後そのような時代へとシフトしていくと、より患者の状態変化を具体的に把握することや、更なる薬効・副作用のモニタリングなど、保険薬局の果たすべき役割が大きく変わっていくはずです。
また薬剤師が負うべき責任が大きく変わることを認識するとともに、薬剤師がより身近な医療の専門家として『地域住民を適切な医療へリレーションする立場へと変化していくこと』について考えていくことが不可欠となり、医師ほか医療従事者や介護職と良好なコミュニケーションを築いていける、外来診療においてコーディネーターとしての役割すら求められるようになっているのではないかと感じているのです。

保険薬局においてもバイタルサインの取得、それは薬局店頭にて患者へ対しPT-INR値やHbA1c値の測定を行い、その結果を医師へフィードバックする、もしくは治療を受けていない対象者への受診勧奨といった試みは既に始まっています。
1その1つの例として、弊社におけるCOPD早期発見プロジェクトを紹介しましょう。
これは慢性咳嗽によりドラッグストア店頭においてOTC鎮咳薬を継続購入している人に対してのお声掛けおよびカウンセリングを実施し、更に簡易スパイロメーターによりFEV1/FEV6近似値を測定し、気道閉塞の可能性を推測(診断ではありません)します。
その上で喫煙者であれば禁煙を促すだけでなく、COPDに対する知識を伝達し、早期の受診勧奨を行うことにより将来的に在宅酸素療法の導入時期を遅らせる可能性がある、これは近隣の呼吸器専門医とも連携することで適切な医療へのアクセスポイントとしての機能を薬局がもつようになったとも言えると思います。
これを弊社では店頭で常時測定を実施するだけでなく、北九州市共催の1,000人規模で実施する健康フェアにおいても実施し、データの集積を行い学会発表などの活動も行っています。

また、アメリカで実施されているCDTM(Collaborative Drug Therapy Management)を意識してみましょう。
アメリカでは、医師の負担を軽減すると共に地域住民の健康増進に寄与できることから、医師のプロトコルに基づき薬剤師が患者に対して抗凝血療法や女性の単純性尿路感染症など様々な領域での活動が行われています。
しかしながら、そのためには「薬剤師が患者のアウトカムに良い影響を及ぼしており、薬剤師による薬物療法の管理を通して、医師の生産性を高めることが出来る」ことが重要であり、種々のデータが取得できるようになったとしても、それを単に医師へ伝達するだけで終わってしまっては意味がないのです。

これは弊社においても一昨年に広島大学臨床薬物治療学研究室の協力を受け、取り組みを開始しているPT-INR値測定についても同様のことが言え、受診前に薬局店頭でPT-INR値を測定することは、即時にワルファリンの用量調節が可能となるという点において医師の診療補助としてのメリットがあるのですが、更にその結果と患者の合併症や併用薬・食生活などを踏まえた薬剤師としてのアセスメントが必要だということです。

しかしながら我々は、ドラッグストアという形態、即ち受診日以外にも少なくとも1~2週に1度は買い物に訪れる、ついでに別の病院診療所の処方箋を持ち込むケースが多い場所においてこそ、そのメリットが発揮できると考えています。
実際にワルファリン服用中の患者が店舗内で患者が購入した乳酸菌飲料はクロレラを含有するものであったため、それらを摂取しないよう指導したケースや、PT-INR値の変動が大きかった患者が他科よりアルツハイマー型認知症治療薬を服用しておりアドヒアランスが低下していたため、飲み忘れ防止のため一包化(ODP:One Dose Package)に日付を印字し、アドヒアランスを改善した例など、地域というコミュニティにおいてより身近な薬局・薬剤師という立ち位置からの問題解決を目指しています。
そのほか、ワルファリンは薬物間相互作用の多い薬剤としても知られていますから、処方医に対して併用薬との相互作用の可能性についての情報提供を行うなど、データ取得が可能になるということで薬剤師がより積極的に医師へのフィードバックを考え、また患者の薬物療法に対して責任を持つことを意識することへとつながりつつあることを実感しているところです。

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4また、疾患啓発のための行動としては、潜在性鉄欠乏性貧血のチェックとしてのヘマトクリット値の測定についても、測定して低値の対象者を発見することだけでなく、正常範囲内において主訴から潜在性鉄欠乏性貧血の疑いがある人に対して精査のための受診勧奨を行うこと、これは言い換えれば「潜在的な医療の需要を顕在化すること」とも言え、これが重要だと考え徐々に活動を広めていく予定です。

また、例えば検診受診率の低い健康保険の被扶養者層に対しての生活習慣病のチェックが行えることも求められるはず。
本来治療が必要であるにもかかわらず検診を受けていないために見逃され、進行し続ける疾患があると推測し、一歩踏み込んで微量アルブミン尿を検出できる尿試験紙を使用したCKDの早期発見※によって、透析患者数の増加抑制に貢献する取り組みなど、多くの疾患が早期発見・早期治療によって医療費増大への対策となる、また薬局が医療への窓口となるのではないでしょうか?
(※は松山大学八重准教授が提唱するプライマリケアへの取り組みである)

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このように、将来のCDTM実施へ向けた取り組みを始めるには、あらゆるスキルミックスを活用して他職種からのバイタルサイン手技などの技術教育を受けることが必要となってきます。
当然、その為には費用と時間・労力を要します。しかしながら将来起こそうとする行動に対する安全性確保のために必要不可欠な教育は早急に始めなければならないのです!!

 




著者:赤川信一郎

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