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ドラッグストアにおける新たな取り組みとその実践|次世代のドラッグストア

ドラッグストアにおける新たな取り組みとその実践|次世代のドラッグストア

2012年07月17日 (火) 09時00分配信 投稿日:12/07/17 09:00 icon_view 430view

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さて、それでは当社における薬剤師職能拡大への取り組みの1つとしての活動を紹介したいと思います。
 

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その1つ目は、第4回でも紹介しました『薬局店頭におけるPT-INR測定』これはワルファリンによる抗凝血療法施行中の患者さんに対する副作用の早期発見・薬物相互作用の確認を目的とした測定です。
薬局店頭で具体的な数値に基づく処方医への提案を目指した取り組みであり、一般的なクリニックでは検査を外注することがほとんどであるPT-INR値は、多くの場合受診日には結果が出ないため、医師は数日後に検査結果が出てから用量変更の必要がある場合は電話連絡を行っているケースが度々見受けられます。
では、検査値がすぐに分かれば、迅速な処方設計が可能になり、治療の正確性も高まるのです。

そしてワーファリンの用量に対して、PT-INR値の応答性が悪い場合、遺伝的な低応答なのか、コンプライアンスに問題がある患者さんなのか・・・ということも薬剤師として考える機会とその真剣さが増すと考えます。
また、合併症によるADL低下にも注目すると解決策が見えてくる場合もありますし、薬剤師でなければ気付けない相互作用に気づき、医師へフィードバックが行なえるようにもなります。
この活動に際して、近隣の開業医にメリットをお話して、積極的に活用して下さる医師も多くおられます。

また、現場薬剤師の中でのこのような活動を通して、より患者さんへ薬剤師としてどのように貢献できるのかを考え、この次に紹介する新たな取り組みにも積極的に参加するようになった薬剤師も多く存在します。

~この活動の発表実績~
第72回九州山口薬学大会(山口県)
第4回日本薬局学会(岐阜県)⇒優秀発表賞受賞
BIファーマシストアワード最終選考会(東京都)⇒優秀賞受賞
第5回日本薬局学会(千葉県)
第73回九州山口薬学大会(沖縄県)
 

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では、今後力を入れていく新たな取り組みについて紹介します。

それは、『薬局店頭での生化学検査の実施』

実際に様々な企業が取り組んでいることではありますが、ここでは検査機関等へのいわゆる"外注"ではなく、患者さんやお客様による自己穿刺から採取した血液を用いて薬局内で測定を実施するといった活動を指し、その利便性や迅速性は外注とは比べものになりませんし、その分現場での薬剤師の能力が問われるといったことでもあります。
 

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まず、この活動に先駆けて、当社では3月10日に福岡県北九州市と共催しました健康フェアにて測定を実施しました。
当然ながら、測定に際して手技の習得が必要となりますから、広島大学臨床薬物治療学研究室が開催する「TDM実習」に参加し、修了認定を取るといったことから始めました。

イベント当日、来場されるのは日頃から当社をご利用いただいている患者さんやお客様。北九州市は政令指定都市の中での高齢化率No.1の地域ですから、お客様の平均年齢も平均60歳と少々高めです。
このイベントに来られた1000名の方のうち、140名に対して測定を実施しました。

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※測定者年齢分布
 

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このイベントで使用した機器は4種類
1.レフロトロン(総コレステロール、中性脂肪、尿酸)
2.GEAR-K(HbA1c)
3.メディセーフ(随時血糖)
4.アストリム(ヘモグロビン:採血不要)

ですが、やはり目玉は生化学検査!!
私たちも開場前からテストランを実施していましたが、開場してみてビックリ!
検査を求めてお客様が殺到したのです。
6つの窓口に対して一気に40~50名のお客様がこられ、一時騒然となりました・・・
 

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通常、成人であれば健康診断などで自分自身の健康状態を把握している方が多いのですが、健康保険の被扶養者の一部は自ら検診を受けに行くことが煩わしいという理由から、疾患の発見が遅れてしまうことがあります。
そういった方が生活圏内にある薬局・ドラッグストアで検診を受けられるようになったらどうでしょう?

測定結果は、HbA1c(NGSP値)だけをとってみても基準範囲(4.6-6.2%)を越えていた方が106名中9名(8%)も居られました。もちろん、その中には現在治療薬を服用している方も居られますが、未治療の方も居られました。

このように生活習慣病の早期発見から、受診勧奨もしくは食事・運動指導といった支援を行うことで、今まで以上に疾患予防が可能になるはずです。それは潜在的な医療のニーズを掘り起こし、適切な介入を行うことで薬剤師がジェネリック医薬品の推進だけではない医療費抑制への切り札を持つことにもなるということではないでしょうか。

この薬局店頭での生化学検査は、薬局・ドラッグストアがセルフメディケーション支援や医療の入り口としての機能をもつことだけでなく、ファーマシューティカルケアによる医療への貢献としてももちろん活用可能です。

実際にあった症例ですが、高血圧などの基礎疾患があり整形外科にて葛根湯の継続処方を受けている高齢患者が、健康増進にと自己判断にて甘草含有のドリンク剤を購入・服用しており、血清カリウム上昇と浮腫みといった症状を訴えたケースにおいて、高カリウム血症を疑い受診勧奨を行いましたが、このような測定機器というツールを得ることで、カリウム値だけでなくCREAやBUNといった腎機能に関する数値を取得し、より具体的に医師へ偽アルドステロン症が疑われる旨を示すことができるようになると考えられます。

今回使用したレフロトンという機器は試薬を変更することで13項目もの検査が可能です。その中にはTC、TG、UAといった生活習慣病に関わる数値だけでなく、肝機能や腎機能を項目も含まれますから、今後は地域の住民がより気軽にチェックし、相談に応じることができる環境づくりと、ファーマシューティカルケアの安全性確保ができることが求められるでしょう。
 

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そういったチャンスの到来を活かして、薬局・ドラッグストアの薬剤師がより身近な健康相談ができる存在となり、また薬剤師が地域医療の窓口としての機能を果たし、地域住民の医療へのアクセスが適切に行われることを自ら実証していかなければならない。
そして、それをやるかやらないか、私たち薬剤師一人ひとりの気持ち次第で世の中は大きく変わるはずです。

最後に、私の好きな映画の中の台詞をもって終わりとさせていただきます。

"Don't ever let somebody tell you you can't do something."
「やるだけ無駄」なんて決してあきらめるな。(映画『幸せのちから』より)


著者:赤川信一郎

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