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顔の見えるドラッグストア薬剤師|次世代のドラッグストア

顔の見えるドラッグストア薬剤師|次世代のドラッグストア

2012年11月01日 (木) 09時00分配信 投稿日:12/11/01 09:00 icon_view 507view

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第7回、第8回は職種にフォーカスした内容でしたが、今回はそれらを活かすお店づくりも交えて紹介したいと思います。

現在(平成24年8月時点)私が勤務しておりますサンキュードラッグ社ノ木薬局は、一般的な調剤併設ドラッグストアと大きく違う部分があります。
下は、入口付近から撮影した写真です。
 

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少しわかりにくいかもしれませんね。

でもその違う部分というのは、お客様や患者さんが店内に入ってこられるとすぐに感じられることで、風除室の売り場案を見れば一目瞭然です。
 

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お分かりになりましたか?
そう、調剤室が売場のど真ん中に位置しているのです。

一般的な調剤併設型ドラッグストアでは入口横や売場の奥など、商品を並べる売場とは区切られて設置されていることが多いのに対し、この社ノ木薬局では売場中央にある。

この配置が何を意味するか?どんなことを狙っているか?

保険調剤という医療サービスは、基本的には処方日数=来局間隔ですが、調剤併設型ドラッグストアにおいて患者さんは、お客様としてドラッグストアへお買い物に来られるため来局頻度は高くなることが予想されます。しかしながら、我々からのアプローチがなければ、また買い物に来られたときに特別相談したいことがなければ、その患者さんは調剤室に近付くことはないかもしれません。
それは調剤室と売場とが明確に区別・仕切られていればより顕著でしょう。

この店舗ように、売場の中央に調剤室を設置することにより、洗剤・トイレットペーパーペーパーなどの日用品や食品などを買いに来られたときでも、必ず調剤室の脇を通り、またそこで働くいつもの薬剤師の顔を見ることが出来るといったメリットがあります。

皆さんは「単純接触効果」というものをご存知でしょうか?
これは「ザイアンスの法則」とも呼ばれ、人と人との接触頻度と心理的距離の関係を示したものです。

第1法則:「人間は知らない人には、攻撃的で冷淡な対応をする。」
第2法則:「人間は会えば会うほど、その人に好意を持つようになる。」
第3法則:「人間は相手の人間的側面を知ると、より強く好意を持つようになる。」

第1法則は最初の段階、単純に「あなた誰?」というような攻撃的で冷淡な感情のことを指します。
多くの人が人付き合いに抵抗感を持つ理由が、ファーストコンタクトの際の相手の攻撃的で冷淡な対応に、ストレスを感じるからとも言われています。

第2法則は、人は会えば会うほどその人に対する抵抗感が和らぎ、反対に親近感を持ち始めるということです。このある程度知った間柄になること、すなわち「信用」のレベルに達していると言えるでしょう。

第3法則は、人は相手の弱さとか秘密を打ち明けられた時に、より一層親近感が醸成される段階で、相手との共通点や共感できるところを発見し、さらに人間関係が深まる。
このような状態を、「信頼」のレベルに達したと言えるでしょう。

例えば、複数薬剤師が勤務する薬局においては、患者さんは薬歴を活用した服薬指導を受けることができると言っても毎度違う薬剤師が対応していては第1段階から第2段階に進むこともままなりません。
また、長期処方も増加している現在では、半年に1度接するかどうかという患者さんも。

そこで、調剤室を売場の中央に配置することによって、患者さんが来るたびに我々薬剤師の働く姿を目にするようになる。
調剤での定期的な接点があれば、それが徐々に「こんにちは」とか「今日は暑いねぇ!」とか、軽く会話を交わすようになる。

あるタイミングで、「ちょっと風邪引いちゃって咳が止まらないんだけど、私の使っている薬わかるでしょ?安心して飲める市販薬はどれかしら?」
というような相談を投げかけて下さったなら、薬剤師としてその方とのコミュニケーションを深める大きなチャンス到来です!

そこでお話しを聞き、OTC医薬品を勧める、またはきちんと理由を添えて受診勧奨することができれば、また次回受診日やお買い物に来られた時に「体調はいかがですか?」と接点を意識的につくることが出来れば、きっとその人にとっては「信頼に足る」薬剤師へと認識は変わってくることでしょう。

このように、患者さん・お客様にとっても我々にとっても良い関係性を築いていくための接点を増やす、相談の敷居を低くすることが出来るという点において優れている"センター調剤室"ですが、やはりデメリットもあります。

それは収納スペース。
どうしても医療用医薬品や書類関係を保管するスペースが必要になりますが、それらを上へ上へと積み上げてはどうしても見た目が損なわれてしまいます。
床下収納など設けるようにしていますが、対策が難しい課題でもあります。
 

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今回例に挙げた店舗では、第7回で紹介した管理栄養士による運動・栄養指導のサービスであるスマイルクラブや、調剤でのコンシェルジュ導入も実施済みですので、スマイルクラブの定期イベントに薬剤師も参加して生活習慣病の危険性について啓発したり、弊社の取り組みである薬局ラボ(第5回で紹介)を実施し、HbA1c値や中性脂肪・尿酸値などを確認してもらった上で服薬に関する相談に応じたりということが気軽に実施出来ています。

また、平日夕方などの混雑時に処方箋を出してお買い物に行かれた患者さんが、自分の薬が出来上がったかどうか把握できるための番号札と番号表示モニタを設置するほか、待合スペースのキッズスペースでコンシェルジュがお子さんのお世話をしている間にお買い物や薬剤師にじっくり相談するなど、より"利用しやすい"、"役に立つ"ことを意識することによって今回のタイトルでもある『顔の見えるドラッグストア薬剤師』を目指しています。

「より多くの人々の、より健康で、より豊かな生活の実現」のために我々が薬剤師として、また薬局・ドラッグストアのチームとして出来ること。

そのひとつとして、"病気になる""病院を受診する"という非日常において"処方箋調剤"や"薬剤師への相談"だけでも、より生活行動に近づけることが出来れば、地域の方々にとって薬局・ドラッグストアそして薬剤師が身近な医療人としてお役に立てる機会も一層増えると、私は信じています。


著者:赤川信一郎

 

【関連Q&A】
Q.地域医療の病院薬剤師の役割ってどう考えたらいいでしょうか?
Q.先日、訪問看護の方が薬局にやってきて愚痴をこぼしていました…
Q.今後業務をするにあたって、また転職するにあたってもほかの薬剤師と違うスキルを身に着けるのが必要になってくると思っていますが…

 

【関連記事】
・顔の見える薬剤師(CRMの視点より)|次世代のドラッグストア
・薬局像|世塵・風塵
・求められていること【2】 継続は力なり|薬剤師の働き方
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