新着記事・レポート

カテゴリーを選択

ドラッグストア

<<前の記事へ

次の記事へ>>

アメリカの今~アメリカから日本の薬局・薬剤師を考える~(2)|次世代のドラッグストア

アメリカの今~アメリカから日本の薬局・薬剤師を考える~(2)|次世代のドラッグストア

2013年01月31日 (木) 09時00分配信 投稿日:13/01/31 09:00 icon_view 395view

お気に入りに登録

お気に入りに登録

icon_view 395view

今回は、アメリカ研修中で私にとって大きなインパクトがあった日についてお話ししたいと思います。

皆さんは近年、日本で変化している薬業界についてどのようにお考えでしょうか?
・改正薬事法によるリスク区分と第1類医薬品
・薬学6年制のスタートと第1期卒業生の輩出
・ジェネリック医薬品の推進による加算(報酬)
などなど、この10年の間だけでも大きな変化がありました。
しかしながら、これらの変化は我々薬剤師の働きかけによって生まれたものでしょうか?
残念ながら違いますよね。
これらは行政主導すなわち国民皆保険制度による保険医療を守るためにやるべき部分に国が制度を変え、フィーをつけたというだけで、我々は"与えられた側"なのです。

しかしながら、前回お話ししたようにアメリカ(ワシントン州)では10種類もの予防接種を行うことが出来ます。そしてこれらはある人物を中心に薬剤師自らが"勝ち取った仕事"だということを、以前より話を聞いてはいましたが、その本人の口から語られることでより深く考えるきっかけとなったのです。 その"彼"とは、ワシントン州立大学薬学部教授のドン・ダウニング氏です。
彼は10月28日には我々のリクエストに応えて来日し、第6回日本薬局学会学術総会でも特別招聘講演として自身の経験から日本の薬剤師へのメッセージを語って下さいました。

彼からの最初の質問は、
「処方がおかしいと思っても医師に電話してこれは違うと言えるか?」
というものでした。

皆さんはいかがでしょうか?
疑義照会しても「あぁ、そのまま出しておいて」と言われるだけであったり、十分に疑義の根拠を伝えることが出来ず(または理解してもらえず)、モヤモヤしたことはありませんか?

疑義照会するだけなら、乱暴に言えば誰にだってできます。
しかしながら、それを受け入れてもらえるか、また薬剤師からのアドバイスに対して医師から「ありがとう」という言葉をもらえるかは、相手とのコミュニケーションが日頃から十分にとれているかどうかが鍵となる。
そして何より処方が正しいか判断する教育を受けてきたかどうかも。
もちろん、現場に出てからの経験によるものが大きいが、少なくとも私が大学を卒業した12年前はその様な教育は受けていませんでしたし、全ての情報が医師と同様に入ってくるわけでもありません。

では、教育の場において、そういうことがこれからの薬剤師に必要か?と問われるとどうでしょう。
やはり、情報を実践で使うということにおいて必要。実際にアメリカでも情報を記憶させる教育から、情報を活かして実践する教育に変わってきたということです。

医師・薬剤師・患者の三角構造を、患者主体とした三角形の対角に医師・薬剤師という構造が今のアメリカでの医療。
日本ではチーム医療という形で提唱されていますが、セオリーの中での患者中心の医療とはそういうものだろうが、それは正論。実際とどれだけのギャップがあるかと言うと大きなギャップがあるということはドン・ダウニング氏もよく理解しておられるようでした。

チーム医療、では患者に投与する薬が正しいかを誰が判断するのか?と考えたとき、それをすることによって何が利点かをもう一度考えてみることが大事。

大きい壁は医師側のフィーであり、成功には2つの要素が必要だと言います。
それができる薬剤師と教育体系
サービスに対する報酬をもらう体系


その医療に対する予防効果としての、保険会社からの新たな収入体系がアメリカでは出来ています。
日本では薬剤師が医師の助けをすることで、医師は自分の首を絞めると思っている人も居るようだが、実例としては新たなビジネスモデルを提案できる。それを知ったらどう言うだろうか?

これから多くの好事例が出てくる。それらを薬剤師だけの、身内だけに発表するのではなく医師や看護師・一般の人にも発表していくことが必要だけれど、日本の薬剤師会はそのパワーを持っているか?

医師と薬剤師、行政とのコミュニティ(会議)の場を作っていくことも大事だけれど、会議の中心には必ず"患者"がいること。自分が患者だとして、それが一番良い医療を受けられる方法かどうかを常に考えることが大事だということです。

現状、日本の一般生活者が医師と会話したときに、一方的に言われて納得している人が多いのではないでしょうか?中には薬剤師に聞いてくる人もいますが、その様なときに疑義照会するか、処方意図を確認するか、患者に次回このように聞いてと伝えるか・・・

薬剤師が様々な分野で成功事例をつくる、それをどうやって一般に示すかを考えておく必要があるとも言われました。
リサーチャーの力を利用して発信、それを皆が理解することが重要。
何をしても、証拠(結果)がなければ重みがないという言葉はドン・ダウニング氏が自ら予防接種を行うために看護学校へ通って注射学の単位を取得し、それを実際に行うことでより多くの地域の方々に受けてもらうことが出来るようになったことなどの実体験からのアドバイスを頂きました。

そこでまず大事なのは、薬剤師が自分たちの仕事は調剤だけでないと意識することだということです。

薬学的な学習だけでなく、患者ケアを意識した教育にもっていかなければならないのは企業における教育でも同様ですが、次のポイントは何なのかをよく考えなければなりません。

もし彼が日本の薬剤師だったら何を考えるかを教えてもらいました。
『今患者がどんなことを不便だと思っているか?若い人は?田舎の人は?田舎には医師がいないかも?予防接種だけでも薬剤師が・・・そのような状況下でやって、どれだけ便利になったか?』
『大きい夢を叶えるために、小さなことを確実にこなしていくこと。最後に、あくまでも無料サービスとして提供しないこと!今は1つの方向性としてサービスしているかもしれないが、その価値を作っていくことが大事』だということです。

そして成功事例をどのようにまとめて大きなものとするのか?
アメリカではいくつかの非営利団体があるので、研究テーマによって団体を選んでいるそうです。

そして医師の負担軽減も考えるなら「仕事を取る」のではなく、「医師の右腕になる」というような伝え方をしなければならない。

指頭血などによる簡易検査をできるようになれば、今まで糖尿病と思っていなかった人を受診勧奨する。
全てがWIN-WIN-WINとなる方法を提案するように心がけること。

しかしどんなに良いことでも、タイミングよく、少しずつ変化していかないと急な反発を受け、夢で終わってしまうかもしれない。このような転換は社交ダンスのように相手に合わせて変えていかなければならないという表現を彼はよく用いていました。

私がドン・ダウニング氏から学んだのはこれらのことを全てひっくるめて、
『ChanceにChallengeしてChangeしていく、そしてそれをContinueする。
そうすることで生き残る薬局・薬剤師・ビジネスマンであることが出来る。』
それが今の薬剤師に求められていることなのでしょう。
そして私は、この4つの"C" を実行していくと心に決めたのです。


著者:赤川信一郎


Good0

コメントする

コメントする

コメント

回答:2件

記事・レポート(1347件)

show

2017.11.22 new 269.その結果の信ぴょう性は 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.11.15 new 268.直前に出た人、止めた人の結果 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.11.08 267.根拠の無い「就寝前」は誰のため 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.11.02 93.薬局の業態変化の必要性 【世塵・風塵】

2017.11.01 266.まさか2年連続で怒鳴るとは 【薬剤師業界のウラガワ】

もっと見る

業界ニュース(20175件)

show

アンケート

show
ただいま、募集中のアンケートはありません。

もっと見る

セミナー情報(1件)

show

ブログ(5710件)

show

求人情報

show

よく見られている
新着記事・レポートランキング 集計期間:11月18日~11月25日

もっと見る

よく見られている
薬剤師のQ&Aランキング 集計期間:11月18日~11月25日

もっと見る