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薬局サービスとCRMを考える(2)|次世代のドラッグストア

薬局サービスとCRMを考える(2)|次世代のドラッグストア

2013年09月03日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/09/03 09:00 icon_view 344view

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前回、患者さん=顧客として捉えてみましょうというお話しをさせて頂きましたが、やはり多くの方にとっては違和感を覚えざるを得ないのでしょうか?

実際、私も新卒入社の薬剤師さん方に毎年お話しさせて頂いていますが、薬局長レベルの方とは異なる反応を示すのは肌で感じています。

しかしながら、前回も申し上げたとおり、『どんなに良い医療サービスも、これから大きく変化してくるであろう薬業界の収益構造の中で、健全な経営の基に、継続的に患者さんへ提供されなければ意味はない』
これは間違いありません。

そのために、接客・接遇の参考にして頂ければと思い、具体例を紹介いたします。

●「初回来店は長い付き合いのはじまり」

新規の患者様の心理はどのようなものでしょうか?
1.不安感(薬物治療、薬局の質、代金等)
2.抵抗感(マスメディアからの情報、事務的・形式的な対応等)

対して、我々の心理は?
「薬を飲むことに抵抗はないだろうか?安心してお飲み頂くためにはどういう説明の仕方が良いだろうか?不安にさせるような副作用は前駆症状を伝えるに留めようか?」
「窓口であれこれ話しても憶えられないかもしれないな、患者さんに了解をとって後日フォローの電話を入れさせてもらおうかな?」

新患の方に対しては、一度に情報が多すぎて処理できなくならないように電話など様々な手段を考え駆使する。そうでなければ、最悪の場合「服薬への恐怖心」や「知識の押し売り」と感じてしまい、抵抗感・嫌悪感が生まれ、今後のマーケティング効果が期待できなくなってしまいます。

対面した患者様の心理を考え、服薬指導を組み立て(組み直し)ていき、最終的に患者様が服薬の意義を理解・納得できるかどうかがポイントです。

望ましいのは「軸とレベル」の説明
⇒解りやすい例として、OTC医薬品販売の文句
「効き目バツグン!医療用と同じ成分です」
↑顧客の購買心理に応えるコミュニケーション

3つのポイント
1.患者様が知りたい軸は何か?
2.服用することで今の状態がどうなるのか?
3.一番のポイントは?(薬効・用法・副作用・相互作用等)

また、フォロー接客がなければ再来店にはつながらないとも言われています。
一般的な小売業では、会計後にお客様の「本当にこれで良かったのか?」を「私の判断は正しかった」とさせるような不安を解消するフォロー接客を推奨していますが、調剤では我々の服薬指導自体が「商品」であるため、直後フォローは説明ではなく、「服薬上で不安が生じた場合にどうすればよいのか」のアドバイスを行い、安心して退店していただくことだと私は考えています。

●「再購入客を固定客に育成するには」
スペシャル顧客、固定客に比べ、再購入客に対してはあまり特別扱いはせず、 患者様も「バラエティシーキング」を行うことも考えられることを我々は認識しておかなければなりません。

※バラエティーシーキングとは?
バラエティシーキングとは、何かものを選ぶ際に、特定のブランドだけではなく、さまざまなブランドを購入しようとする消費者の行動特性のことです。
アメリカの消費者行動の研究者であるAssaelが提示したもので、消費者の商品への関与度(商品に対するこだわりが強いかどうか)と、ブランド間の知覚差異(ブランド間の違いを認知しているかどうか)との2軸を用いて、消費者の行動を四つに分類しています。そのうち、商品に関する関与度が低く、ブランド間の知覚水準が高い消費者には、バラエティシーキング型の購買行動がみられるとしています。
※JMR生活総合研究所ホームページより引用

"そこそこ親しい"再購入客に対して"ちょっとした特別扱い"を行うことで固定客育成に大きな効果をもたらす。
これは顧客の期待よりも認識の方がサービスのレベルが高い場合に得られる顧客満足の向上であり、一般的に固定客1人の獲得は新規購入客獲得の5倍の効果があるといわれています。

"ちょっとした特別扱い"とは
1.顧客を覚えていることを伝える
挨拶をしながらのアイコンタクト、「今日は、どうなさいましたか?」など

2.特別な情報提供
疫学データなどからの薬の有用性(今服用している薬が本当に良いものであるという裏づけ)

3.顧客の好みを覚える
直接服薬に関することではなくても、例えば「薬情や薬袋が不要」、「ビニール袋は大きめもの」などを記録しておくことで"ちょっとした特別扱い"がかんたんに実行できます。

●「固定客にはビジネスと関係ないコミュニケーションも重要」
・他愛ない会話で気遣い、配慮を感じてもらうことも非ビジネスコミュニケーションとして効果を発揮しますが、話題として○なものは「天気や地域の行事、お子さん・お孫さんの話など」で、逆に×、好ましくないものは「宗教、政治の話題」です。

大切なことはバランスで、顧客育成がそれ程進んでいない段階での非ビジネスコミュニケーションは「馴れ馴れしい」と感じられてしまうこともありますから注意が必要です。
これらは既にお店に馴染んでいる固定客だからこそ受け入れられるものですね。

●「固定客・スペシャル顧客の流出防止」
一般的には購入履歴を活用した接客が有効⇒調剤では「薬歴を基にした指導」が基本ですから、先ずは挨拶からスペシャル感を出し、心地良く「○○さん、こんにちは!」とこちらから発してみましょう。

また、薬歴から、現在の状況に到るまでの経緯や治療意欲を維持させるためのポイントを  抜き出して活用するのも手です。
「□□ということがあって、今はこのお薬をお飲みなんですよね」
「▲▲という気持ちからお薬をお続けなのですね」

こういったことから"この薬局は私のことをわかってくれているんだ"と感じていただくことでロイヤリティを向上、維持する目的

●まとめ
・顧客満足の概念を大前提に、各顧客層に対し最適な接客(服薬指導)を実践する
・関係構築によりCSだけでなくESの向上を同時に図ることが成功のカギである
以上、簡単ではありましたが調剤薬局というステージでCRMを考えた場合の接客について述べさせて頂きました
繰り返しになりますが、この接客方法は顧客(患者様)を決してランク分けするわけではなく、顧客と我々の間に構築された関係や距離感に応じた接客方法が、顧客の治療する意欲や服薬の意義、安心感を高めるものであると考えております

接客と同時に、システムによってもCRMを勧められるのではないかという部分も考えていかなければならないと思います。


著者:赤川信一郎

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