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『薬剤師業界のウラガワ』8.尖閣諸島問題が医薬品業界にも打撃?!

『薬剤師業界のウラガワ』8.尖閣諸島問題が医薬品業界にも打撃?!

2012年10月12日 (金) 09時00分配信 投稿日:12/10/12 09:00 icon_view 272view

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「早く沈静化してもらわないとジワジワ影響してくる」。ある漢方生薬メーカーの執行部はため息混じりに呟く。

尖閣諸島に対する認識の違いからさまざまな問題が吹き上がっているが、医薬品業界も他人事ではない。現場の薬剤師の方ならすぐに想像できると思うが、現在国内に持ち込まれる漢方生薬の原産国の多くが中国となっている。その依存度は約9割に達しているとの調査もあり、今回の問題が影響を及ぼすことは想像に容易い。

ただ、尖閣諸島問題が起こる以前から、漢方生薬の原材国についてはテーマとされていた。日本漢方生薬製剤協会が発表した2011年現在の中国産原料生薬の価格は、06から10年までの4年間で使用量の上位30品目において価格が1.6倍に上昇、さらに中国の人件費がここ数年は高騰傾向にある。それに対して日本国内における漢方生薬の薬価は微減傾向にあり、そもそも「新薬」がほとんど薬価収載されないため、自然減の傾向がある日本の薬価制度では企業への負担が大きくなっているのだ。また、ネガティブ要素として中国は近年、砂漠化防止の観点から漢方生薬採取に制限を加え、輸出量にも一定のシバリを示唆するようになっている。

日本の製薬企業も中国に集中しすぎている状況について好ましく思っておらず、夕張市で一部生薬の生産が開始されたのは記憶に新しいところだ。また、本州などでも一部OTC生薬製品の原材料などが栽培されており、中国依存からの脱却を図っていた。

そんな中で起きた福島第一原発での事故は痛恨だった。検査数値としては安全基準をクリアし、それどころか放射性物質が検出されることはなくなっても、消費者心理を踏まえると「従来どおりということは難しい」のが実際の声だ。つまり、否応にも当面は中国に依存せざるをえない状況下にあるため、尖閣問題の長期化は避けてもらいたいのが実情。現地の生薬農家へパイプがある製薬企業でさえ、今回の一見に関しては「先が見えない」と肩を落とす。

高齢社会の到来により、漢方製剤のニーズは今後ますます高まってくる。今回の尖閣諸島問題は医薬品産業にとっても大きな転換期になるかもしれない。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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