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『薬剤師業界のウラガワ』9.裁判が怖い厚労省?調剤自己負担のポイント付与問題

『薬剤師業界のウラガワ』9.裁判が怖い厚労省?調剤自己負担のポイント付与問題

2012年10月17日 (水) 09時00分配信 投稿日:12/10/17 09:00 icon_view 320view

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結局、先送りというカードを厚労省は切った。いよいよ10月に迫った調剤自己負担にかかるポイント付与問題。これに関して厚労省は先日、原則禁止という従来からの考えを強調しつつ、末尾に「年度内に再検討する」という一言を添えた通知を各地方厚生局に通達し、どこかスッキリしない曖昧な態度を表明するに留まった。

そもそも、ポイント規制自体がごり押しの規制案というのが専らの評判だった。薬剤師会は「ポイント付与がいいか悪いかではなく、即刻禁止にできなかったことが納得いかない。ポイントの還元率の問題ではなく、『ある・なし』の時点で社会保障制度には馴染まない」と強い口調で不満を述べ、また日本チェーンドラッグストア協会と保険薬局協会も同様に社会保障に馴染まないのではないかとするスタンスにあり、過剰なポイント戦争に発展しないように会内に通知を出していた。

ただ、ポイント付与問題の根は深い。
ポイントという"お金のようなもの"の取扱いについて、原則として値引きが許されない社会保障の世界でどのよう取扱うのかが結論が出ていないからだ。

病院や薬局でクレジットカード払いが認められた際にも、職能団体の意見は賛否で真っ二つに割れ、最終的には患者の利便性を鑑みて止む無しと渋々認めた経緯がある。当時の反対派は今回の騒動を「ソレ見たことか」と高みの見物を決め込んでいる。

さらに問題に拍車をかけたのが、一部のドラッグストアチェーンがポイント付与を開始する際、口頭で厚労省からお墨付きを得ていたことだ。当然、全面禁止となれば「国を相手に訴訟を起こす」と鼻息は荒い。

ポイント付与を全面禁止にすれば、表向きは綺麗に納まるかもしれないが、確実に訴訟問題に発展するうえ、ケンコーコムとの裁判でも1勝1敗である状態を考えれば、強気になれる要素もない。また問題なしとの判断を下せば、ポイント合戦に拍車がかかり、社会保障に市場原理が持ち込まれる事態になりかねない。

少なくとも、来年3月まで先延ばしをしたところで、解決できる秘策を厚労省が持ち合わせているとは思えない。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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