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17.災害救助の発想は薬局の姿を変えるか|薬剤師業界のウラガワ

17.災害救助の発想は薬局の姿を変えるか|薬剤師業界のウラガワ

2013年01月01日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/01/01 09:00 icon_view 121view

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宮城県薬剤師会はモバイルファーマシー(MP)を稼働させた。

MPはキャンピングカーを約1000万円かけて改造し、薬局的な機能を備えた緊急医薬品供給車両としての活躍を見込んでいる。300~500品目の医薬品が収載可能となっているほか、調剤棚や水剤調剤台、電子天秤といった調剤器具をひととおり搭載しており、1台で調剤室としての機能が網羅されている。さらに携帯電話がダウンした状況下でも使用可能な短距離通信用デジタル無線、生活用水や予備燃料など支援者が被災地物資に頼ることなく活動ができる設計も採用した。

東日本大震災の際には、薬剤師と医薬品があったのにも関わらず調剤器具がないため調剤できないケースが散見された。その忸怩たる思いをMPという発想に結び付けたものだ。宮城県ではこれを前例にして各県1台程度の導入を呼びかけ、災害時における薬剤師活動の拠点として未来を画く。

ただ、クリアしなくてはならない問題は多い。まずはその名称だ。「移動薬局」ではなく、「災害対応医薬品供給車両」となってしまったものはその象徴的な事例で、MPという英語で逃げているものの厳密には薬局ではない。『医薬品をたくさん積んでいる車』という扱いで、つまりは卸の医薬品供給車と同じ。宮城県内における解釈では、災害救助法に則った判断で運用されるが、他の地域ではどうなるのかは不透明な状況にある。

その背景にあるのが、移動薬局を許可した際の"副作用"だと関係者は語る。「わかりやすく話せば○ツ○ヨとか日○○剤とかが運用し始めたらどうなるのか。このあたりが解決できないと本当の意味での移動薬局は無理」というのだ。つまり、移動しながらの薬局が運用されれば、これまで培ってきた薬局という概念そのものが大きく変わる。一方で、在宅医療や買い物弱者を視野に入れた際、こうした取組みは本当に副作用になりうるものなのかは「やってみなければわからない」(同関係者)のが実態だという。

そうした議論を起こすうえでも宮城県薬は一歩を踏み出したという。震災から得た経験をこれからに活かすために。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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