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『薬剤師業界のウラガワ』50.新型インフルエンザを前に薬剤師は逃げない

『薬剤師業界のウラガワ』50.新型インフルエンザを前に薬剤師は逃げない

2013年07月16日 (火) 09時00分配信 投稿日:13/07/16 09:00 icon_view 322view

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「国民が苦しんでいる最中、医療職である薬剤師が逃げるようなことを連想させる文言はダメだろう」。

風しんが驚異的なスピードで流行していることを筆頭に、近年はウイルス性の疾患が爆発的な広がりを見せようとしている。その象徴的事象とも言えるのが09年の新型インフルエンザの発生だった。現在では多くの分析やウイルスの研究により、H1N1亜型インフルエンザに対しては季節性インフルエンザと同等の扱いをするまで冷静な判断が下せるようになった。

4年前の薬局・薬剤師を翻ってみると、マスクの購入やタミフルを希望する患者が列をなしたりするなど、一定の混乱状態に陥っていたことが思い出される。混乱の象徴とも言えるのが、薬局薬剤師が抗インフルエンザ薬の優先接種対象とならなかったことだ。当時既に分業率が全国平均で50%を超える状況にあり"仮に罹患者が来ても薬剤師だけが丸腰で対応するような状態"だった。厚労省はFAXによる処方せんの送信を推奨し、薬局の利用者と薬剤師をできるだけ接触しないことを要望したが、薬剤師を医療の一環から外すこと自体に無理があった。

こうした状況を踏まえて改正された対策ガイドラインでは薬局・薬剤師は優先接種対象者として位置づけられた。しかし、このガイドラインで意外な文言が記載された。それが「薬局に従事する薬剤師は、可能な限り新型インフルエンザ等患者との接触を避けること」。

これに日薬が冒頭のコメントを用いて噛み付いた。関係者は「4年前の騒動の際から担当行政の認識が進展してない。分業率が7割目前で当時より更に薬剤師の必要性が高まっているのに、接触を避けるというのはどういうつもりか。FAXで処方せんを受け、郵便でタミフルでも送るつもりなのだろうか」などと憤慨し、文言修正に迫った。結果的に新ガイドラインでは「患者とそれ以外疾患患者が接触しないよう」との表現に変更されている。

ただ、忘れてはならない事例もある。4年前の流行に際し、一部の薬局では警戒するあまりさっさとシャッターを閉める事例が散見されたとか。僅かな事例が全体の印象を悪くすることも踏まえて行動したいところだ。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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