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『薬剤師業界のウラガワ』56.調査の意味は?覆面というジレンマ

『薬剤師業界のウラガワ』56.調査の意味は?覆面というジレンマ

2013年09月02日 (月) 09時00分配信 投稿日:13/09/02 09:00 icon_view 215view

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覆面調査が一里塚を迎えている。毎年厚労省が実施し、夏になると公表する「一般用医薬品販売制度定着状況調査」であるが、未だ名札すら満足に着用できない個人店をはじめ、メールに対応しないインターネット等販売など、対面やネットといった仕組み以前に販売業者の一部は制度を守らないことが調査のたびに明らかにされている。厚労省は基本的には今後も調査を継続するスタンスにあるが、そもそもこの覆面という手法自体への疑問が浮かび上がっている。

この覆面調査、制度の定着が現場レベルでどの程度行われているかを図る為にスタートしたもので、薬事監視では浮かび上がらない文字通りナマの販売実態を調べあげることを成果としている。民間の調査会社に依頼し、「素人以上専門家未満」の知識となるよう研修したうえで調査活動を行う。調査結果はマスコミに公表することと併せて、都道府県薬務課などには「実店舗名を列挙した薬事監視資料として提供する」のがざっくりとした仕組みだ。

ただ、この実店舗リストの取り扱いが問題となっている。ある地域薬務課に話を聞くと、「具体的な店舗が一覧になって送付され、『薬事監視の参考に』と言われている以上、現地を見にいくことになる。ただ、覆面調査の際はNGであっても薬事監視の時は大丈夫だったケースがある。覆面調査のクオリティが、薬事監視に耐えられるどうかは実地確認をしないとどうにもならない」とし、場合によっては仕事を増やしているだけという見方もあることを否定しない。さらに「地方行政としても毎年薬事監視を行っている以上、いきなリストでダメだしされても、そうですかと首を縦には振れない」と許認可担当としてのプライドを覗かせる。

また現場の薬局・薬店サイドからも「入口でメモを取っている人がくれば、『ああ、覆面調査お疲れ様です』なんて声をかけることもある。あからさまに覆面を晒している状態もどうかね」などと皮肉交じりに覆面の実態を明らかにする。

でもね、と前述の現場サイドの関係者は語る。「厚労省はこんなに現場の印象を悪くしてどうするのか。一般マスコミに調査に度に悪く書かれることの影響は制度の浸透よりも悪影響だと思う」。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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