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『薬剤師業界のウラガワ』96.安全対策上の措置

『薬剤師業界のウラガワ』96.安全対策上の措置

2014年06月02日 (月) 07時00分配信 投稿日:14/06/02 07:00 icon_view 368view

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「これは薬剤師が気付くべき事例ではなかったのか。この報告の背景に素朴な疑問がある」。薬剤師関係者からこんな声が漏れた。

先ほど開催された厚生労働省の医薬品・医療機器等対策部会において『製造販売業者』により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(医療事故)が報告された。冒頭の言葉は製造販売業者から寄せられるべき報告ではなく、本来ならば薬剤師が防ぐべき内容であるとの強い危機感を露にしたものだ。その事例は以下のようになる。報告された原文のままなので、読みにくい点はご容赦いただきたい。

事故の内容は、「咳嗽のため予約外で受診した患者に、コデインリン酸塩散を1日3回内服1日60mgのつもりで『コデインリン酸塩散10%(100mg/g)0.6g咳の出るとき15回分6時間あけて、1日3回まで』と1回量を60mgで初回処方した(正しくは1回量0.2g)。夜間、外来主治医が過量投与に気付き、翌朝に連絡した。患者は帰宅後2回内服し、早朝から嘔吐が見られていた。外来を受診してもらい、経過観察のため入院となった」というものだ。

事故の背景要因の概要では「オーダー画面は1回量の入力であったが、単純に1日量を1回量と思い込み、間違えた。1回量と1日量の確認作業が不十分であった。また院外処方であったが、薬剤師による疑義照会はなかった」と報告された。

ココヤクの読者の方であれば、どこに問題があったのかは理解いただけると思う。ただ、当日の検討会では、ミスそのものよりもこの事例が「製造販売業者から報告された」ことに視線が注がれたのだ。

院外調剤において、通常の数倍に及ぶ投与量を調剤していることを見過ごし、結果的には製薬会社からの報告で、厚労省部会において提示されるという展開は、言葉としては発せられなかったものの、薬剤師と医薬分業への“効果”が疑われる雰囲気を漂わせていた。前述の関係者は「ヒヤリ・ハットをはじめとして、問題を報告する認識がまだまだ足りない。報告は恥ではなく、起こりうる危険を共有するという認識が大切だ」と語り、こう付け加えた。「専門職としての義務。そこはフィーの有無ではないよ」。

著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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