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『薬剤師業界のウラガワ』106.種類と時間の価値とは

『薬剤師業界のウラガワ』106.種類と時間の価値とは

2014年08月11日 (月) 07時00分配信 投稿日:14/08/11 07:00 icon_view 359view

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紙同然のお薬手帳を登場させて業界関係者らの頭を悩ませた大病院前薬局が、再び関係者を苦悩させる火種を作っているという。それが「○種類なら○分で調剤できます」といった文言だ。

患者・利用者視点で見れば、病院前にズラリと並ぶ薬局の違いは外から見ても全く分からないため、病院からの距離など単純な理由で“なんとなく”選択している場合がほとんどだろう。そのうえ実際は同系列薬局が別名で複数展開していることもあり、どこに入っても同じということもありうるから、利用者からすれば益々わからない状況になっていると言える。

薬剤師会関係者がこんなことを打ち明ける。

「巷の門前薬局の中には『○種類までなら○分で調剤できます』という看板を掲げるところがある。この宣伝文句は、自ら行為には価値がほとんどないということを声高に言っていることに気付いていないのだろうか。中には、具体的に『シップ、目薬、軟膏チューブが記載されている方は○分以内!』なんて内容が掲げられていると聞く。もう開いた口が塞がらないよ」。

関係者が警戒感を示すには理由がある。今回の診療報酬改定の終盤、厚労省から突如示された手法がなんとも臭うからだ。「院外におけるうがい薬については、処方料、調剤料、薬剤料、処方せん料、調剤技術料を算定しないことが決まった。最終的には治療目的のものは除くことで落ち着いたが、今後を考えたとき診療側は大きな懸念を抱いた」と振り返る。行政刷新会議の主張が政府を通じて改定議論に著しく反映されたものであり、当然のことながら次回改定以降もこうした動きが続くものと見ている。

そんななか、自らの職能の放棄とも言える内容を宣伝文句として使っていることは、「その種類数にはどんな意味があるのか。なぜ○種類までなら早いのか、全く理解に苦しむ。言い方を変えれば、○種類までなら疑義照会は一切しないということなのか。これだけ分業に対する対価が問題視されている状況下において、僅かな早さのみを売り言葉にするようなことはあってはならない」と語尾を荒げる。そして「薬局の現場が調合のいらない目薬、シップ、軟膏に関する技術料を手放しても構わないと発信していると捉えられたら、どうするのだろうか」とため息交じりに語った。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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