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125.「くすりをもらう」という言葉

125.「くすりをもらう」という言葉

2015年01月12日 (月) 07時00分配信 投稿日:15/01/12 07:00 icon_view 317view

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12月に入ると記者等を対象にしたメディア懇親会が結構な頻度で開催されるようになる。要するに忘年会であり、業界内の噂やニュースのウラ側などについてメディアと業界側が意見交換したりするのだが、先日、ある大手製薬メーカーの代表と話したとき、こんな言葉を漏らしたことが印象的だった。「僕はね、社会保障費のために増税することには簡単に賛成できないんだよね。結局、国民皆保険制度の恩恵について、利用者である国民の意識があまりにも低いと思うから」。

もちろん多少お酒が入っており、このコメントを本人発言のニュースソースとして用いることはできないが、なかなか興味深かったので話に乗ってみたところ、その代表はこのように続ける。「どんな家庭でも当たり前のように『お薬もらって来る』や『今日は薬をもらうだけ』といった言葉を使っている。けど、本屋で本を買うとき『もらう』なんて言葉は誰も使わない。というかドラッグストアで市販薬を買うときでさえも『もらう』なんて使わないでしょう。イメージの問題か(酒のせいか)言葉に上手くできないんだけど、なんかこの『もらう』に違和感があるんだよね」。

なるほど、国民の処方薬に対するコスト意識について、変化をもたらすべきタイミングに差し掛かっていると言いたいようだ。

既に中高生に対するくすり教育がスタートしているが、その効果がでるのは早くても十数年はかかるだろう。また今回の調剤報酬改定で残薬確認を行うことが設定されたことは記憶に新しく、患者が自らの判断で薬を「調節」している実態を重く見た結果とも言える。こうした自己判断は高齢者に多いと言われ、この背景について前述の代表は「自分の身体は自分が一番わかっているという特有のクセがあんだよ。これに加えて『もらってくる』というコスト意識の低さも根幹にあると思うんだよね」との分析だ。

少し違った例えになるかもしれないが、痴呆症は認知症と改め、誰でも罹患する恐れのある病気として、広く社会への浸透を呼びかけている。この成果は非常に著しく、痴呆症という言葉は耳にしなくなった。

「薬をもらう」がどのように変化するかなかなか難しいところであるが、新年を境にこれまでの「流れ」を変える呼びかけをスタートしてもいいかもしれない。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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