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173.知っておきたい“社会的処方”という解決法|薬剤師業界のウラガワ

173.知っておきたい“社会的処方”という解決法|薬剤師業界のウラガワ

2015年12月22日 (火) 07時00分配信 投稿日:15/12/22 07:00 icon_view 334view

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患者のための薬局ビジョンが公表されるとともに、調剤報酬改定においてもかかりつけ薬局・薬剤師の方向性が強く打ち出されている。秋に公表された薬局ビジョンでは、これまでの門前から地域へ、対物業務から対人業務へ、バラバラからひとつへといったように今後の薬剤師業務に大きく影響する具体的な考え方が示されていることも特徴的だ。

さて、薬剤師の対人業務として思い浮かべるのはどんな行為だろうか。普段の薬に対する素朴な疑問や、夜間の発熱など困った時に役に立つことができる「暮らしの知恵袋的な存在」となることが考えられるのではないだろうか。こうした考えに加えて、これから紹介する“社会的処方”にも関心を持ってみてはいかがだろうか。

日本女性薬局経営者の会設立記念シンポジウムで産経新聞社の編集委員・佐藤好美さんが紹介した英国の医師・澤憲明さんの考え方で、端的に言ってしまえば薬を処方するのではなく、社会的な助けを“処方”する方法だ。事例として、「80歳代の女性患者は首が痛い、腰が痛いなど訪問診療の依頼をしてきた。実際に訪問すると、友達がおらず家族は遠方に住んでいるなど、止めどなく話し続け、『さみしい』と訴えてきた」という。澤医師はしばらく話しを聞き「趣味が散歩や読書だと聞いて、地域の散歩クラブや読書クラブを紹介すると、しばらくすると友達ができて訪問回数が大きく減少した」と分析し、「彼女に必要だったのは薬ではなく、社会的な繋がりだった」と結論付ける。

社会的処方という名称ながら、患者の悩みに具体的に対処したものであり、薬剤師だからと言ってできない行動ではない。患者の悩みのポイントはどこにあるのか。そのヒントをどこに求めるのか。佐藤編集委員は薬剤師へのメッセージとしてこの事例を紹介したのは、他ならない期待の表れと言っていいだろう。

対人業務への転換が求められている今後に向け、こうした考えは示唆に富んでいる。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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