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195.対岸の火事ではない備えを

195.対岸の火事ではない備えを

2016年06月14日 (火) 07時00分配信 投稿日:16/06/14 07:00 icon_view 278view

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8月5日からオリンピック・リオデジャネイロ大会が開催される。ニッポン代表チームが続々とリオ行きを決めているほか、個人競技でも代表選手の選出などが行われている。日本人は国際的にみても“五輪好き”と言われており、読者の薬剤師・薬学生の方もブラジルまでの観戦に行くことを計画している人もいるかも知れない。

ただ、今回の五輪は健康・医療の側面からみれば未知のリスクがある。一時期よりは報道される頻度が少なくなったものの、やはりジカ熱への警戒は十分に備えていきたいところだ。感染症専門家に話を聞くと「ジカウイルス感染症と各種神経症状の関係はほぼ認められる」状態にあり、小脳症の新生児が平常時と違う頻度で生まれていることとの因果関係は、概ねクロであるとの見方を示す。ただ、症状を発症していない人におけるウイルス状況など、判明していない部分も多いため、引き続き高い警戒が必要との認識だ。

妊娠中の方がブラジルまでオリンピックを観戦しに行くケースは極めて稀であると思うが、むしろ警鐘を鳴らしたいのは、その後ではないだろうか。

昨年、都内で発生したデング熱を思い出していただきたい。もともとは東南アジアなどで発生していた蚊を触媒とする感染症で、近年の経済交流等の頻度増加により、国内にウイルスが持ち込まれ、保有者の血液を吸ったヒトスジシマカにより感染が拡大した。

リオオリンピックが開催される8月は、国内において蚊の最盛期と言っても大げさではなく、観戦に行った日本人により国内にジカウイルスが持ち込まれる可能性がある。場合によっては爆発的な感染拡大に繋がることも否定できない。デング熱を警戒している生活者は季節の移ろいとともに減少していることは言わずもがな。健康・医療関係者として、万が一の事態に向けた啓発に乗り出すことは、決して大げさではないだろう。観戦が感染のきっかけとならないよう、一歩先を行く取組みに期待が寄せられる。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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