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196.なぜ売れる?インバウンドでの大衆薬

196.なぜ売れる?インバウンドでの大衆薬

2016年06月21日 (火) 07時00分配信 投稿日:16/06/21 07:00 icon_view 398view

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都内を歩けば外国人観光客に出会わない日はないだろう。訪日観光客が史上初めて2000万人を超え、東京五輪に向けて更なる増加を見込んでいることは、日常生活を過ごしていても強く感じる。ドラッグストアで大衆薬を“爆買い”するアジア系観光客は季節を問わず見かけるようになり、その影響はドラッグストアのみならず、町の小さな薬局においても製品が売れるという話も耳にする。

もはやインバウンド消費は、一時期の流行期を超えつつあるのではないだろうか。

そもそも何故大衆薬が訪日観光客に爆買いされるのか。インバウンド需要の仕掛人とも言える業界のキーマンに話を聞くと、思いのほか普通の答えが返ってきた。

「単純明快。その薬が必要なんですよ。驚かれるかも知れませんが、インバウンド消費で最も注目されている中国は、日本のような皆保険制度が運用されていません。だから自分の身体は自分で守るが基本なんです」。

確かに訪日観光客が増加し始めた当初は、物珍しさもあって購入していたかも知れないが、ご存知の通り、中国は大気汚染問題が深刻化しており、特に喉のケアには意識が高い。中国方面に支持されている“ゴホンと言えば”のアノ薬は、こうしたニーズにマッチしているうえ、中国には該当するような製品も無い。作用機序が、喉をピンポイントにケアすることや妊婦にも使用できることが支持の背景にあるとの分析だ。実は香港や台湾でもこれら大衆薬の一部は購入することができるが“本物”を購入したい富裕層は、日本で購入したり、代理人に依頼したりしているという。

翻ってニッポンを見ると、国民皆保険制度により世界一の長寿国になった一方、膨れ上がる医療費と少子化により、その制度を抜本的に見直す必要に迫られている。「インバウンドは関係のない話」と言う調剤“専門”薬局の関係者は多い。しかし、C型肝炎治療薬をはじめ、超高額薬に対する保険範囲への議論は、本格化の気配を見せつつある。

セルフメディケーション・セルフケアという意味を考えると、インバウンドという行動と背景を知ることは、医療費超高騰時代に向けて、単なる話のネタ以上の意味が含まれているのかも知れない。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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